南北八ヶ岳縦走4日間【蓼科山・八子ヶ峰・白樺湖】天空の城と稜線と高原の湖 Day4 2024.9.26

旅の4日目。3日目はこちら⇒南北八ヶ岳縦走4日間【茶臼山・縞枯山・三ッ岳・北横岳・双子山】地獄の岩から天国の広場へ Day3 2024.9.25

この日は蓼科山2,530mに登頂し、すずらん峠を越え、八子ヶ峰(東1,869m、1,833m)に登頂後、白樺湖1,420mに下山するコースタイム5時間の山旅最終日。9/26(木)

◇ 旅の行程 ◇
0 東京 ⇒(夜行バス)⇒観音平
1 観音平 ⇒ 編笠山 ⇒ 権現岳 ⇒ 赤岳 ⇒ 赤岳天望荘
2 赤岳天望荘 ⇒ 横岳 ⇒ 硫黄岳 ⇒ 天狗岳 ⇒ にゅう ⇒ 白駒荘
3 白駒荘 ⇒ 麦草峠 ⇒ 茶臼山 ⇒ 縞枯山 ⇒ 三ッ岳 ⇒ 北横岳 ⇒ 双子池 ⇒ 双子山 ⇒ 蓼科山荘
4 蓼科山荘 ⇒ 蓼科山 ⇒ 八子ヶ峰 ⇒ 白樺湖 ⇒(路線バス)⇒ 茅野
不二の峰

蓼科山荘の標高は2,350m。3晩目なので高地順応してきたのか、まあまあの熟睡具合で朝を迎えた。

イッテQ!でウッチャン達が拝みたいと願った山頂での日の出を私も迎えるべく、暗い中出発。山頂まではコースタイム50分、日の出は朝5時半。朝一番だし体力は大丈夫、暗いから写真にそんなに立ち止まらないだろう、と見て、40分を想定して登り始める。

蓼科山までのこの道も、岩石帯の急登と書いてある。(前日の地獄)三ッ岳みたいに怖い?とお姉さんに質問してみたら、そんなじゃないと言われた通り、足場はしっかりしているし、奈落の底があったり、宙を踏んだりする感じではない。

真っ暗

東の空が色付き始め、向かう空は青い。日の出は確実に拝めるに違いない。

山頂へ

いや、雲が多いみたいだ。雲海もすごい。

東の空

サクサク登り、30分ほどで蓼科山頂ヒュッテへ。ここには数名宿泊者がいたようで、日の出の時間にわらわらと外に出てきてた。

心のふるさと

山頂はゴツゴツの岩石帯で、だだっ広い。2,531m。日本百名山の一つで、私は54座目。

登頂!
山頂部

蓼科山は八ヶ岳連峰の最北端、端正な円錐形の姿から諏訪富士とも。遥か歩いてきた山並みを眺めながらの日の出は格別。

出た

薄雲が湧いては流され、ミルキーな色合いを作る。鮮やかなオレンジの世界から、またかけがえのない一日が始まる。

オレンジの世界

南八ヶ岳があんなに小さく。遠くまできたなぁ。

南方面

薄雲のお陰で見られるもの、それはブロッケン現象。

ブロッケン
天空の城

山頂には蓼科神社。お鉢をぐるり半周して、お参りする。

神様のお出まし
蓼科神社

今回の山旅のお供は、モロの君。山犬のように山を敬い愛し、強く生き駆け抜ける!

モロ

十分に山頂を堪能してから、下り始める。天空の城を歩いているかのようなこの景色。ここも天国かー!

ラピュタ感

蓼科山の影が雲に映る。

陰蓼科山

下り始めて20分ほどで樹林帯に突入。標高の高い天空の景色はこれが最後。旅の終わりが近付いている。

これから向かう八子ヶ峰の広がる稜線。白樺湖はあの雲の下か。

八子ヶ峰

すずらん峠から蓼科山は、平坦⇒登りが3回繰り返される、とガイドブックに書いてあった。急な下りが続く。本当に平坦なところ出てくるのかな?と疑っていたら出てきた。

平坦

登ってくる人たちとすれ違いだす。大変な登りですね、泊まったのですか、などと声を掛け合う。人気の山だ。

樹の種類には詳しくないので良く分からないが、標高が下がるにつれ相が変わってきた。足元は笹原に。

下ってきた

本当に下りと平坦が3回繰り返されて、2時間弱ですずらん峠、1,720mに到着。駐車場とトイレがある。女神茶屋は営業不明。

駐車場

トイレを済ませ、いざ最後のピーク、八子ヶ峰へ。

いざ

ゆるやかに登り始めて15分ほどで、視界は開ける。ススキが風に揺れて、心地よい自然の時間。

登る

午前8時、ヒュッテアルビレオ。いつかテレビで観て泊まりに来たいと思っていた山小屋だったのだけれど、2023年に営業を終了してしまった。今回白樺湖からの逆ルートも考えたが、ここが営業していないので計画できなかったのだった。

ヒュッテアルビレオ
可愛い標識

ちょっと外から覗いてみようかな、と思って建物に少し近付いてみたら、中からなにやら生活音が。どなたか暮らしているのだろうか。覗くのは諦め、先へ。広がる草原を進む。

東峰
草原の生き物たち

東峰に到着。広い山頂なので、もう一方がどこにあるのか見えない。

アザミ

八子ヶ峰に登り始めてから、ちょこちょこ足元に居たムカデのような虫。が!この標識の広場に大発生!足元の岩のところを拡大するとオレンジ色の線みたいなのが見えるのですが、それ!どれも全部モゾモゾせわしなく動いている!足の踏み場が無い!ぎゃー!と叫びながら飛び跳ねながら即パス!

虫大量発生

なぜここにだけ大量発生しているのか。何の虫なのか。気にはなるが考えたくないので、素早く注意を逸らす。

だんだんと雲に覆われてきてしまい、行く先が見え隠れする。

進む

ヒョウ柄の蝶が一生懸命蜜を吸っている。1匹だと大丈夫だが、これも何匹も集合したら悲鳴。横を失礼しますよ。

ヒョウモンチョウ

この頃には虫の衝撃を忘れ去り、穏やかに続く道を行く。

進む

振り返って八子ヶ峰の稜線と蓼科山。山頂部に雲が掛かってしまっているが、ここ数日の天気と同じ傾向だとすると、きっともうすぐ晴れるだろう。

稜線と蓼科山

もう一つの山頂はこの辺り、1,833m。風が優しく吹きぬけ、草木を揺らす。雑音のない穏やかな時間が流れる。暑すぎる強すぎる太陽の光。きっと大歓迎してくれているのでしょう。一瞬であり、永遠であるこの時間、この空間。一生ここに居られると思える天国感。北の斜面はスキー場になっている。おそらく幼少期に両親と来たことがある、しらかば2in1スキー場。

スキー場

進行方向の西には旅の終焉地、白樺湖。奥には車山高原や美ヶ原が広がる。あっちまでずっと歩くのもいいなぁ。

車山高原と白樺湖

午前9時、永遠に続くかのような静かで穏やかなこの奇跡時間空間を後にする悲しみ。でも帰りのバスの時間があるので私は先へ進まなければなりません。いつだって命は有限。スキー場のゲレンデを下っていく。鹿の声と気配がしたが、なかなか警戒度が高く、写真に収められるほど近くには行けない。

ゲレンデ

建物の左側の笹原へ。あまり往来が多くはないのだろう、笹が道を覆い隠すように迫ってきている。そしてこの日は私が初の往来者なのだろう、朝露に濡れた笹で足元だけ大雨ずぶ濡れ状態。靴下まで浸水して来る。そして蜘蛛の巣地獄。唯一肌が出ている顔にまとわりつくと不快極まりないが、服にもたくさんくっ付いているのだろう。蜘蛛としても人間が引っ掛かっては嬉しくないだろうが。早く服を洗濯&風呂に入って体を思いっ切り洗いたい。

笹原
大雨

道ははっきりしているが標識や目印になるものが少ない。しばらくすると白樺湖ロイヤルヒルの上部に出た。眼前には車山高原、右手には白樺湖。

白樺湖

ゲレンデを下っていると、久々に人に会う。八子ヶ峰に入ってからずっと誰ともすれ違わなかったので人恋しくなり話し掛けてみると、土地の水の調査?(うろ覚え)をしている方とのことだった。お話ししてくださりありがとうございました。

ゲレンデ

ゲレンデを下り切るとアスファルトの舗装路。そのまま行くかと思いきや、また山道に入り、出て舗装路を下っていくと、白樺湖に。私が今通ってきた道は信濃路自然歩道だそう。

終了!

午前10時、標高1,420mの白樺湖に下山完了。お疲れさまでした。

白樺の高原湖

バス停を確認しに行くと、10時45分の茅野駅行のバスがあると思っていたのに、なんとそれは週末しか運行していない便だった。次は12時05分。茅野駅でランチやお風呂、と思っていたのだが、計画が大きく狂う。

白樺湖

仕方がないので、公衆トイレを借り着替える。お風呂はパス。ランチはこの周辺で食べてしまおう。と思ったのだが、調べるもなかなか平日にやっているお店を見付けられない。美味しそうなお蕎麦屋さんをGoogleマップで見付けて歩いて行くと、なんと臨時休業!その先で見付けた何でも洋食屋さんのようなお店に入る。(味は遊園地レベルだが、価格は観光地価格。懐に打撃、と思うも、営業してくれててありがとうと言い換える。)

白樺湖は高原リゾートの爽やかな雰囲気で、サイクリングをする家族やドライブをするカップル、ベンチで読書に更けるおじさん、それぞれ思い思いに過ごしている。なんとも優雅な湖時間だ。

リゾート

そして12時05分のバスに無事に乗り、帰りのあずさをネットから予約して、バスに揺られること40分ほどで茅野駅へ。茅野駅も標高800m近くあるはずだが、高い山から帰ってきたので激暑に感じる。残暑じゃなくて真夏。

駅前を少しうろつき、お土産を物色して、帰路へ。さすが八ヶ岳は近くて良い、暗くなる前の17時頃に自宅に帰り着けた。翌日から3日間仕事をした後、再び山旅に出発予定なので、荷解きや洗濯を素早く済ませる。4日ぶりのシャワーは天国。

縄文文化公園

南北八ヶ岳縦走、完遂。端から端まで歩き通し、山と森に眠り、この山域の様々な表情に出会った。最高に感動した。手軽だけれど、日帰りでも行けるけれど、どっぷり浸からなければ味わえないこの奥深さ。しかし、これで八ヶ岳よく知ってます、たくさん歩きました、とは全く言えないほど、もっともっとルートはたくさんあり、無限の表情がある。またいつか。

出発前の天気予報だと3日目よりさらに怪しく雨予報も出ていた4日目のこの日も、予報は好転。4日間とも似たようなお天気で、深夜から早朝は晴天、日の出直後に雲が湧き、日中は再び晴天、暑すぎて夏のようにガスが徐々に空を覆っていく、という感じ。雲が掛かり思ったように景色が見られないところもあったが、これもし来てなかったら死んでも死にきれない!来れて本当に良かった!と思うような4日間だった。予報はあくまでも予報だし、お天気はどうしようもない。日頃の行いが良いとか悪いとか言うのは好みではない。晴れは良くて雨はダメなのか。それもその時々による。日照りの後の雨は恵みだし、雨や曇りだからこそ見られる幻想的な景色もある。その状況で感じることを楽しむのみ。とはいえ私は景色を楽しみたいので、晴れ希望ではあるが。

山全集中期間のスタートは大充実の縦走山旅となった。次の山旅は4日後、何年も憧れ続けたあの名峰の縦走だ。私の人生という山旅はまだまだ続くよエンドレス。次の山旅へ続く!

今日もthanks🌟