旅の2日目後半。前半はこちら⇒南アルプス南部大縦走5日間【悪沢岳・荒川三山】日本6位の高峰と絶景の稜線 Day2-1 2023.8.21
この日は悪沢岳・荒川東岳3,141m、赤石岳3,120mを越え、宿泊地の百間洞山の家までを歩くコースタイム11時間の長ーい一日。の赤石岳の後半部分を。
◇ 旅の行程 ◇ 0 東京 ⇒(夜行バス)⇒ 畑薙 1 畑薙 ⇒(登山バス)⇒ 椹島 ⇒ 千枚小屋 2 千枚小屋 ⇒ 千枚岳 ⇒ 悪沢岳 ⇒ 赤石岳 ⇒ 百間洞山の家 3 百間洞山の家 ⇒ 兎岳 ⇒ 聖岳 ⇒ 茶臼小屋 4 茶臼小屋 ⇒ 光岳 ⇒ 茶臼小屋 5 茶臼小屋 ⇒ 畑薙大吊橋 ⇒ 白樺荘 ⇒(高速バス)⇒ 東京
夢の花の庭
荒川前岳から下っていくと、その斜面には広大なお花畑が…!見返してみたら良い写真が全然撮れていなかったのだけどー!咲き乱れる何種類ものお花たちに目も心も奪われ、なかなか足が進みません!先を急ぐ山旅ですが、ちゃんと愛でていきましたよ。
一部をご紹介。うまく撮れていなくて載せていない写真も多々。ここでもどんどん抜かされる私。だってこんなに可愛いお花たちを前にずんずん進めないよ…!誰に見せるでもなく褒められるでもなく、厳しい山の斜面に咲いて散っていく姿。自然はいつだって主体性のみ。
30分ほど下ると遠くに小屋が!あれが本日の目的地だったらどんなに良いことかー!!!残念ながらあそこでまだ半分です。うう。こんなに疲れるとは思ってなかった。
ぐっと下って荒川小屋に到着、午前9時。もうこの辺りで体力消耗度105%。本当に行けるかなと思いつつ、同じく百間洞山の家を目指す方々と一緒になり、みんなあそこまで頑張るんだなーと思い、私もゆっくりでも頑張って歩くぞと覚悟を決める。トイレ&おやつ休憩をして再出発。
試練と死闘
途中すれ違う登山者さん「これから百間洞まで?まだまだありますね。」…は、はい、知ってます…( ;∀;)
途中、平と名の付く場所がたくさんあり、厳しい山中に出現する和みスポット。大きなアップダウンの前の束の間の平和感に浸る。
ここ大聖寺平から小赤石岳までが本当に本当に辛かった。5日間中ナンバーワン。こんな修行みたいな感じになるとは…。足が全然前に行かず、歩幅もスピードもがた落ち。体力消耗度はぐんぐん上がって150%。疲労遭難という言葉が頭をよぎる程に。時間にして1時間ちょっとなのだけど、まぁとにかく死にそうになった。まさに試練、死闘。
この辺りで、明日明後日の予定変更が現実的に。今日も百間洞までじゃなくて赤石避難小屋まででリタイアとかも考えなくては…?!
何とか登り切り小赤石岳。展望は無いので先を急ぐ。そしてここから40分で赤石岳へ。ようやく着いた…!
日本第7位の高峰、標高3,120m。日本百名山の一つ。ここ南アルプスは正式名称赤石山脈といい、中でも赤石岳は盟主ですね。晴れていれば名だたる山々が我が手中に。とってもファンの多い山。私も超大好きです。また来れて良かったー。
後から見返すとニコニコしてるし大丈夫そうじゃん、とか思うのですけどね。大好きな赤石岳に到着し幸せいっぱい、一息付けたので体力がちょっぴり回復。午前12時。よく頑張りました。
6年前に来たときは赤石岳で晴れ、360度の大展望の中1時間くらいぼーっとした。けれど今日は展望も無ければ余裕も無い。だんだんと怪しくなる雲行き。刻々と表情を変える空が、ゴーっと唸り声を上げ始める。10分もしないうちに行動再開。ここから2時間、百間洞まではほとんど下り。どうにか行けそう。
山頂直下の赤石避難小屋。小屋の写真だけ撮ろうと思って近づいたところ、小屋番さんが「お団子標識ならあっちだよ」と赤石岳のもう一つのピークを教えてくれた!知らなかった!小屋から2分くらいのところにありました。
空との競争
この山域の小屋番さんは皆さん素朴で優しい。「雷雨来そうだから早めにね、小屋予約してある?ご飯とんかつだよ(百間洞山の家名物)」、など、登山者の安全を気遣ってくれているのだなぁと。感謝感謝。この先も安全に行ってまいります!
けっこうな下り、ザレザレの斜面。こっち側から登ってくるのもキツそうだな。
標識タイムは余裕を持って書いてくれてあるので、私の普通の脚でもここまで時間は掛からないのだけど。だんだん近づいてきた本日のゴールにちょっぴり安心。
馬の背と呼ばれる稜線、平らで長く、おそらく展望が良ければ最高に気持ちの良い天国みたいなお散歩道なのでしょう。晴れている時に歩きたかったー!またいつか来よう。たまに雨がポツっと落ちてきて、不安を駆り立てるので、先を急ぐ。
そして百間平に到着。ここも何だか極楽浄土の様相。もやもやしていて幻想的。ここは異世界?あの世に迷い込んだような。昔見た西遊記(ドラマ)のワンシーンみたいだな。あー楽しい。
ここからの下りはかなりの斜度が続き、ぐぐぐっと標高を下げる。百間洞山の家は2,470mの樹林帯の中。左第五趾の爪が潰れ出してきた。もう急ぐのは諦め、ゆっくり進む。お天気も持ってくれている。
山小屋の灯
5日間中ナンバーワンに辛い一日が終了、14時過ぎに山小屋到着。雷雨にも遭わず無事でした。
沢沿いに建つ小さな小屋。何もこんなに標高下げなくてもー!と皆絶対に思うこと間違い無し。一度来てみたかったここは、とんかつが有名で、とっても遠い小屋。悪沢岳・赤石岳を周回する人気のメインルートと聖岳周辺エリアの間にある少し外れた場所で、マニアック度高め。6年前赤石岳で会ったおじさんはこの山小屋に行き聖岳まで行くと言っていた。5年前に聖平小屋で出会った山岳会の屈強なお姉さんたちはこの山小屋から来たと言っていた。私もどうしても来てみたかった念願の山小屋へ。遂に到達です。
同じルートで来た方々、前日同じ登山口から別ルートでまわってきた方々と再会。わいわい登山談義に花が咲く。
山と高原地図によると、この日のコースタイム11時間、翌日のコースタイムも11時間。でも何やら翌日の方が厳しいらしい?!小屋番さんに聞いてみると、翌日のルートは12時間半と…ま、まじですか。この日は大きな山を二つ越えてくるルートで、一方翌日は小さなピークをいくつも越えるアップダウンが繰り返されるルートで、ペースが乱れる登山者さんが多いのだとか。翌日は茶臼小屋を予約してあるのだけど、この消耗度からすると本当に私行けるのか…その手前の聖平小屋までにしてお願いして泊めてもらおうか…でもせっかく計画立てて来たのに最初から諦めるのもなぁ…でもでも茶臼小屋まで行けたとてその翌日の光岳往復も10時間コース、その元気が無さそうだし…。とぐるぐると悩む。
食事の時に聞いたのですが、この小屋は事前予約の定員がなんとたったの8名!狭き門!予約できたのすごい奇跡!拍手👏
そしてこの日も百名山全山登頂を今日達成したというご夫婦が。おめでとうございます✨✨
バテバテでさらに食欲は減退、とんかつは超美味しかったのだけど、半分も食べられず…。これを書いている今食べたいわ🐽相当な強度の運動をしているのに、どこからそのエネルギー出てきているんでしょー?!
ここの小屋番さんも穏やかでとびきり優しかった。ありがとうございました。もっと体力付けてとんかつ完食できる体で再訪します!
こんなに疲れてまだ2日目。果たして私はどうするのか?!予定変更するのかそれとも?!Day3に続く⇒南アルプス南部大縦走5日間【聖岳】聖なる壮麗な緑の山々 Day3 2023.8.22
おすすめのアンダーウェアはこちら。機能的でお気に入り。こういうのがあるだけで疲労度も違います。