旅立ち
立山黒部アルペンルートで室堂へ。山ガールたちとともに行ってきました。ハイキング&温泉の山旅♨ 9/4(月)-5(火)
室堂平は標高2,450mに位置するアルペンルートの観光拠点。山登りをすることなく乗り物を乗り継ぎ、その高所まで行くことが出来ます。そこには3,000m級の立山連峰の絶景が眼前に。ほとんどの場所で遊歩道が整備されているので、山登りや山歩きの経験がない人でも気軽に散策を楽しめる、まさに山岳リゾート地。ここで絶景感動体験をしてもらおうという今回の旅です。
「大変な思いをしないと感動できないと思っていませんか?」
今年の立山黒部アルペンルートのキャッチコピー。半分賛成。私は “大変な思い” は確実に感動を倍増させてくれると思うけど、そもそもこんな世界があると知らなかったら何も始まらないから、簡単でも、リアルで体感できることは素晴らしい。
旅の始まり、それは遡ること一年前、分子栄養学カリスマカウンセラーのまごめじゅん先生からのオファーを受け、着々と準備を重ね、この日を迎えたのでした。旅の行程はこちら。
◇ 旅の行程 ◇
1日目 扇沢駅 ⇒ 黒部ダムの見学 ⇒ 室堂 ⇒ 室堂山展望台ハイキング ⇒ みくりが池温泉宿泊
2日目 みくりが池周辺散策 ⇒ 室堂 ⇒ 弥陀ヶ原 ⇒ 湿原散策 ⇒ 立山駅
メンバーは8名。急遽のキャンセル&再募集などもありながらチャンスをゲットした山ガールたち、ほとんどの方が山活動は初めて。
私はこの旅の案内役として、企画から様々な手配を担当しました。
壮大な人の力
まずは長野県側の入口、扇沢駅から電気バスに乗り、黒部ダムの見学へ。その道はかつてダム建設に向けて掘られたトンネルの跡。ここ黒部ダムは今年竣工60周年記念イヤーで、昭和38年(1963年)に、7年の歳月と513億円の工費(当時)、延べ1,000万人の手により完成。世紀の大工事で、大きな情熱の裏で多くの命も失われた。その歴史は今でも多くの人に感動を与え、語り継がれている。
私はいつも通り過ぎるだけでちゃんと見学をするのは初。人工の造形物にはほとんど興味が無い私。でもこのダムが日本の経済成長を支え、豊かなこの現在に繋がっていることは、知れば知る程納得&感謝。先人たちの努力があって、今私は山登りを楽しめるだけの生活の豊かさを享受している。
圧倒的なスケールのダム。行ったことが無い方はぜひ!
ダムカレーで昼食をとった後は、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスを乗り継ぎ室堂へ。
室堂ターミナル駅、標高2,450m。ここまで乗り物で連れてきてくれるとは。小さな人間という生物が成し遂げる事の壮大さよ。
幸い誰も高山病症状は出ず。良かった。睡眠不足や脱水で高山病が出やすいので、体調管理は万全に。(うちの母は1,500mで高山病になったことがあります)
壮麗な自然の姿
この日の天気予報は曇り、雨。室堂平は雲の中。ここから往復で1時間ほどの室堂山展望台を目指してプチ登山体験を。
標高が高いので下界よりも酸素が薄く、軽い運動をしただけですぐに息切れが出てくる。(私は頻繁に高地に行っているからか鈍感なのかあまり感じない…。)細胞内のエネルギー生産工場のミトコンドリアが大活性化中。皆で展望台を目指すも、リタイア者が出たり、絶望という言葉が出たり。曇りなので登り切っても展望無いしね、ということで半分のところで私たちのゴールとしました。
ベンチで休憩していると雲が少し晴れ、室堂の全貌が明らかに。皆を感動で包み込む偉大な自然の姿。
さらに雲は晴れていき、立山の姿が。
そしてみくりが池に着くころには日差しが出る程までに。美しい湖面に見とれ、壮麗な山の姿に言葉を失う皆。
そして本日の目的地のみくりが池温泉へ。
日本最高の温泉へ
みくりが池温泉を予約したのは4月。8月の希望日(平日なのに)はもう満室で、9月のこの日に。ちょっと人気過ぎません?
でも行けば分かる。ここの辺りに来たら泊まりたいお宿ナンバーワン。山小屋だけど、旅館のようなサービス。施設は新しくは無いけれどきちんと手入れが行き届いている。食事も地元のお料理を提供してくれていて、本物の味。そして何よりここは、「日本一高所にある天然温泉」
テラスや温泉の窓から噴気を上げる地獄谷が見えるのだけど、まさに今なお姿形を変えながら躍動する地球の姿がそこに。
地球から溢れ出る温泉に浸かり、滾々と湧き出る冷たい湧水を飲み、地元の味を楽しむ。地球と一体化体験。
温泉を堪能した後は、個室のお部屋で女子トーク。この辺りは山旅ではあまり無い場面ですね。ここでは書けないお話しで盛り上がっておりました。
自分神と繋がる
ぐっすり眠って翌日は5時から朝活。残念ながら日の出は拝めなかったけれど、耳が痛くなるくらい静かで、もやもやの幻想的な湖畔で瞑想。第三の目が開眼した。
エネルギーいっぱいの朝食をいただき、宿を後に。みくりが池を半周し、室堂ターミナル駅へ。残念ながら白くもやもやのままで展望は無かったけれど、これはこれで貴重な体験だね!と喜んでくれる山ガールたち。
空気や風や太陽、雲、草木や動物たち、遊歩道に山小屋。大自然と人間の活動、仲間と、そして私。昨日でも明日でもなく、1分後でも1秒前でもなく、今この一瞬。瞬間という奇跡。
全身で感じて、湧き上がって来た感情を味わう。まさに生きているとはこのこと。大自然の中だとより生のかたちがはっきりくっきり浮かび上がる。
室堂ターミナルから今度は富山方向の高原バスに乗り、弥陀ヶ原へ。下ること15分、弥陀ヶ原は標高1,930mにある湿原で、ラムサール条約に登録された国際的にも貴重な場所。
山の上の方は雲の中ですが、ここは晴れ。少し標高が下がっただけで暑さを感じる。湿原に延びる木道を皆でゆっくり散策します。季節的には初夏のお花がたくさんの時期がオススメですね。
山パートはここで終了。高原バス、ケーブルカー、電車を乗り継ぎ富山駅へと下り、旅は終了。延長戦(翌日の奥大日岳登山)がある私だけここに残り、皆を見送る。延長戦のブログはこちら⇒富山【弥陀ヶ原~室堂】癒しの湿原&ライチョウハイキング 2023.9.5-6
いつもの一人に戻っただけなのに、急に独りぼっちになったもの寂しさがしばらく心に残っていました。
それぞれの山登り
いつもソロor少人数が好きな私。一人なら1泊2日でどこでも行きたい山へ行けるし、夏山シーズンの貴重な日にちをハイキング企画に割くことや、山初めてガールたちへの案内、様々な雑多な手配のあれこれ、慣れない大人数への心配などなど、
「あれ、私本当にこれやりたいんだったっけ?」
と目的を見失いかける瞬間も多々。
それでも私の愛してやまない大好きな山をぜひ見て欲しくて体感して欲しくて。
うまくいくかな?皆満足してくれるかな?と最初から最後までドキドキしっぱなしでしたが、そこは大自然のフィールド。私が何かしようがしまいが皆を感動で包んでくれる景色が変わらずそこにあった。
一瞬たりとも同じ瞬間は無い、常に今が奇跡の瞬間。
山ガールっていつもこんな世界を見ているんだよー!また来たくなったよね?ね?!←これを連呼してた
そして皆それぞれ、抱えている事情や背景が異なる中で参加を決めてくれたこと、目的、感じたこと、掴んだもの、それを書いたSNS投稿を見て、それぞれの山に登ったんだなぁと感動。
私としてはもっともっと山の魅力を伝えたかったとか、もっとこうした方が良かったとか、反省なのか欲望なのか不足感があったのですが、いやいや十分やったじゃないか、良かったよ、と思えました。
私も私の山を登りました。
人生という山を登る、あなたも私も山ガール。
人生は次のステージへ、次の山旅へ続く!