尾瀬国立公園
標高1,400m、群馬・福島・栃木・新潟の4県にまたがる、名峰に囲まれ花咲き乱れる日本最大の山岳湿地帯。尾瀬ヶ原や尾瀬沼、燧ヶ岳山頂部等は、文化財保護法でも国の特別天然記念物に指定されています。
夏の水芭蕉をはじめ、ニッコウキスゲや尾瀬固有の植物など、お花が有名なところですが、今回は草紅葉を見に行ってきました。
スタートは…
大都会新宿。今シーズン3度目の夜行バス。尾瀬まで約6時間で連れて行ってくれます。4,400円(超ーお得すぎ!)。しかし夜行バスはあまり体を休められないので、体力の無い方はぜひお控えを。(寝不足は高山病や疲労の一番の原因になります。)
今回は2泊3日の予定。初日の今日だけ良い天気で、あとは下り坂予報。それまでずーっと晴れだったのに…。自然相手だから仕方のないこととはいえ、なぜ…と悲しくなってしまう。行くかどうか散々迷ったけれど、万が一天気が良くなったりでもしたら死んでも死にきれない。とりあえず行こうと決定。そして出発当日、直前にたまたま偶然「アシタカとサン(もののけ姫)」のサウンドトラックが耳に。そうか、自然のありのままの姿を見に来なさい、雨だって自然の姿よ、ってことなのね、今回私が行く山旅の理由は…。
ということで、荒ぶる神々の住む自然の、ありのままの姿を見に行ってきました。
翌日以降の天気を考慮して、登山計画を大幅に変更。当初の計画は、Day1尾瀬ヶ原横断、Day2燧ヶ岳~御池、だったけど、Day1に燧ヶ岳に登ってしまう計画に。
山の朝は早い
朝4時前(真っ暗!)に尾瀬の玄関口の一つ、大清水に到着。一人だったら怖かったけど、他にお一人いたから良かった…。一時間ほど待ち、途中の一ノ瀬までシャトルバス乗車(約15分700円)、一時間ほどの歩きを短縮。
歩き始めはまだ暗く、ヘッドランプを付けて山道を歩く。尾瀬は道がよく整備されていてとても歩きやすいけど、雨の日など木道が濡れているととても滑る!ので足元は要注意。
少しずつ標高を上げながら、一時間ちょっとで尾瀬沼へ。朝の爽やかな空気の中、今日登る燧ヶ岳が沼の先にそびえる。あぁカッコイイ…(*ノωノ)
そして草紅葉の湿原。一瞬の奇跡が超渋滞中。あぁさわやかすぎる…(*ノωノ)
登山開始
長英新道から燧ヶ岳へ。ここもとても歩きやすい登山道。
燧ヶ岳、標高2,356m。尾瀬ヶ原の東、尾瀬沼の北にそびえる独立峰。東北地方以北の最高峰で、西に位置する至仏山とともに尾瀬のシンボルとして親しまれている。頂上部は五峰(柴安嵓、俎嵓、御池岳、赤ナグレ岳、ミノブチ岳)に分かれていて、変化に富んだ山容。
尾瀬を初めて訪れたのは、まだ私が山を始める前、13年も前のこと。ニッコウキスゲが花盛りの7月、鳩待峠から山ノ鼻までもなんてキツインダ…と思って歩いてました(今では考えられない😇笑)。そこでもバッチリ目にしていた燧ヶ岳。頂上に登る日が来るなんて。
最高点の柴安嵓からは尾瀬ヶ原、至仏山、越後山脈、奥日光の山々、そして明後日登る会津駒ヶ岳。360度の大展望。最高。
山頂でお昼ご飯をゆっくり食べた後は、来た道を戻る。本当は何時間でも居たいけど、途中トイレも無いので、心配になる前に下山が鉄則。山の天気は変わりやすいので、午後の早い時間に行動を終えるのも鉄則。
山小屋へ
後ろ髪を引かれながら、何度も振り返りながら、いろいろなことを空想しながら、今日お世話になる尾瀬沼ヒュッテへ。
尾瀬沼ヒュッテは福島県の檜枝岐村営の山小屋。山小屋といってもお風呂がある。石鹸使える。電源がある。何ならウォシュレットもドライヤーも完備。部屋は個室。ご飯美味しい。快適すぎる。初心者さんはこういう優しいところからぜひどうぞ。
受付の方は役場の職員さんだそうで、私のような一人ぼっちの登山女子(尾瀬はグループの方が多いかな)を気に掛けてくれ、いろいろと良い情報を教えてくれました。うちで働かないか?!とありがたいスカウトも(その時が来たらぜひお願いします←😇)。とにかく温かく優しい山小屋でした。また絶対泊まりに行く。
奇跡に乾杯
チェックインした後は、尾瀬沼と湿原と燧ヶ岳を眺めながら、祝杯。
湿原の植物たち、沼の水面が風に吹かれてサラサラと揺れる。雲がゆったりと少しずつ形を変えながら、青く高い秋の空に変化を描く。どっしりと雄大に構える山の輪郭。その一瞬が、たまらなく奇跡。いまここの奇跡。
私の目の前に広がる奇跡。そして私は悟りの心に触れる。
今回も既にエネルギー爆上がりした私は、お風呂に浸かり、美味しいご飯を食べ、清潔なシーツの温かいお布団で就寝。残念ながら星空は見えなかったけど。最高のDay1でした。グッジョブ私。Day2に続く。