【初めての海外レース現地編②】Tarawera Ultra-Trail by UTMB 2026|レースレポート~102kmの旅~

2/14 当日:すべてを懸けた102kmの始まり

アラームが鳴る1分前、3:29に目が覚めた。ついにこの日が来た。

予報では雨だったが、外は静かで、霧雨すら降っていない。「もしかして降り切ってくれた?」そんな淡い期待を抱き、「どうにか晴れてほしい」という気持ちは膨らむ。

前日は閉まっていた母屋のドアも門も開いていた。ランナーであろう他のゲストたちも起きて準備をしている。この特別な日に宿も対応してくれたのだろうか、深夜にも関わらず受付にはスタッフの姿があった。キッチンでお湯を手に入れ、朝食のアルファ米に注ぐ。

着替えとメイクを済ませ、テーピングをし、パイオネックス(貼る鍼)を貼る。足には指の間までしっかりとワセリンを塗り込んだ。晴れを願って、日焼け止めも。ゼッケンベルトを巻き、忘れ物がないかを何度も何度もチェックし、そろりと部屋を出た。

【スタート前】ひとりで来て、ひとりじゃないと知る

5:00、ロトルアのレース会場からシャトルバスに乗り込む。空いている席に座り、隣の女性ランナーと笑顔を交わすが、言葉は続かなかった。周りも全員、これから102kmを走る選手たち。車中は静かで、レース前の独特の緊張感が漂っていた。

1時間ほどバスに揺られ、スタート会場のカウェラウに到着。まだ辺りは暗く、霧雨が降っているが、レインウェアを着るほどでもなかった。

トイレを済ませた後は、靴ひもを締めたり、ストレッチをしたり、何となく落ち着かずソワソワと歩き回ったりしていると、列に並んで、というアナウンス。先頭からピンク、レッド、グリーン、ブルーと来て、私は最後尾のイエローブロックスタートだった。

いよいよ始まる。衝動的に挑戦を決意してから3ヶ月。十分とは言えないまでもやれることはやり、今この舞台に選手として立っている。

前方のランナーたちを眺める。1000名近くが出走予定だ。私と同じように挑戦をする人がこんなにもたくさんいる。ストーリーも目的もそれぞれ違えど、それぞれの準備を重ね、同じ時を迎えている。

「私はここへ一人で来たけれど、一人ぼっちじゃない」

そう思った瞬間、じわっと目頭が熱くなった。

スタート時間が近づき、辺りは徐々に明るくなってくる。イエローブロックからは私と同じく、競わず完走を目指すランナーが多いのだろう。少し緩めの雰囲気が漂い、あちこちから笑い声が聞こえる。何とも楽し気で、こわばった心と身体を和ませてくれる。

隣の異国の女の子と目が合い、「Have a good run!」と声を掛けてもらうも、何の言葉も出てこない。めいっぱいニコニコすることしかできず、とても申し訳ない気持ちになった。そして今この瞬間にしかない、緊張や不安やワクワクを共有できないとは、なんてもったいないのだろう。これからも海外レースに挑戦するならば、英会話は必須中の必須だ。とスタート前から思い知る。

【序盤】抑えて進む、長い旅の始まり

カウントダウンが始まった。ドキドキは最高潮。7:00、スタート。

一人ずつスタートしていく仕組みで、ゲートをくぐるまでに17分。旅は始まった。

緩やかに走り始める。公園内の道からゴルフ場のわきを抜け、プチトレイルから草原、林道へ。広大な大地にどこまでも道が続いていく。

周りには最初から同じようなペースのランナーだけ。つられて飛ばすようなこともなく、マイペースで一歩一歩進んでいく。

“走りやすいトレイル” が特徴のこのレース。アップダウンも緩やかなので確かに走りやすいが、逆に “走らなければいけない” ということでもある。しかし、距離は未知の “102km” 。長い長い旅になる。

前半の30kmは特に意識して、抑えめに入る作戦だ。

雲は分厚いが薄明るく、霧雨が舞い、ミストシャワー状態。涼しいが、しっかり走っているとじわりじわりと暑さがくる。はめていたアームカバーを外し、腕にも日焼け止めを塗った。

【出会い】言葉を越えて、つながる

途中、現地の女の子が話しかけてくれた。オークランド在住の彼女は、分かりやすい英語でコミュニケーションを取ろうとしてくれた。


ニュージーランドに来て最初に何食べた?
日本のどこに住んでいるの?日本だってとても美しいのになぜニュージーランドまで?
海外レースは初めて?100km超えも初めて?今までの最高は70km?それなら102kmもほぼ同じだねー!

知らない土地で誰かと話し、つながり、時間と気持ちを共有できること。それはなんて幸せなことなのだろう。彼女の優しさと気遣いが、元気と勇気と喜びをくれた。もちろん分からずに答えられない質問もあったし、聞きたいことが頭に浮かんでも私から質問することはできなかった。もどかしさも超満点。やはり英会話は必須!!!

時おり日本人のランナーも話しかけてくれる。ザックに付けた富士山のワッペンが目印だ。「頑張りましょうね」と励まし合いながら進む。

そして、自然ともまた、つながっていく。

とても背の高い針葉樹林、まばらに木の生える草原地帯、広大な農地、霧雨に煙る空と大地。自然の大きさは、いやおうなしに人間のちっぽけさを思い出させる。

文明のざわめきが薄れ、世界の輪郭がはっきりする。ここはまるで、地図の余白のような場所だった。いつか訪れたいと願い、憧れていたニュージーランドの地で私は今、身体を通して世界を感じている。もうここで命が尽きても悔いはないと思えるほど、すでに最高の体験の中にいた。

第1エイドティトキ(13.7km)に到着。手持ちの水もまだ減っておらずお腹も空いていないが、補給は大事。エイドでは必ず何か食べていこう、と決めていた。

大好きなグミとバナナは全エイドで口に運び、ポテトチップやスイカ、オレンジを時々つまんだ。エナジージェルも時々もらい、ザックの胸ポケットにしまった。

緩やかな林道が続き、皆それぞれのペースで歩を進める。次第に霧雨も上がると、辺りにはセミの声。植生は違う感じがするが、森の育む命や豊かな緑、醸し出す荘厳さは、日本もニュージーランドも変わらない。遠く離れていても、同じ地球の上の営み、命の輪の中の世界なのだった。

【中盤】雨が現実を連れてくる

11:05、第2エイドアウトレット(27.6km)に到着。ここで再び雨が降り出してきた。今回はかなり強めだ。スマホをジップロックに入れ、レインジャケットを着込む。登山用の少し厚めのレインを着ても全く汗が出ないほど寒い。

エイドを出てすぐ、コースはトレイルに入り気持ちの良いシングルトラックになった。土の柔らかい感触が足裏に伝わり、気持ちが良い。寒さと走りやすさにスイッチが入り、前のランナーに続いてどんどんと走った。

葉っぱに当たる雨粒の音が大きく響き渡る。激しい轟音に変わりいよいよ土砂降りか?と思ったら、激しい川の流れの音だった。川がすぐそばまで迫っている。巨大なタラウェラの滝が目の前に出てきたときは、思わず足を止めて見入った。写真を撮りたいところだったが、大雨のため、目に焼き付ける。

森を抜け、再び林道を走る。ここまでまだ40km程度だが林道の割合が多く、硬い地面に何度も打ち付ける足の裏がじわじわと熱くなってくる。弱い膝や足首に、いやな疲労も溜まってくる。

エイドが近づくと出てくる「あと500m」という看板が、なんと待ち遠しいことか。

13:39、第3エイドオタムリ(41.7km)に到着。ここで最初のドロップバッグを受け取る。雨で混み合うテントの中、バッグの中身をさぐる。必殺レッドブルを一気飲みし、ジェル類をザックに詰め、粉末のパウダーでドリンクを作った。願掛け的に持ってきていたサングラス、そしてアームカバーも日焼け止めも、この天気じゃもう必要ないと判断し、バッグへとしまった。

「まだまだいける。お楽しみはこれからでしょ?」

それぞれのバッグの中には、自分からのメッセージを忍ばせておいた。励まされ、エイドの食べ物を頬張り、再び走り出す。

分厚い灰色の雲が晴れそうな気配はなかったが、雨は小降りになり、少し暑くなってきた。レインを脱ぎ、これからのアップダウンに備えて、背中のザックからポールを取り出し手に持った。

【試練】すべてが崩れていく中で

まもなく第4エイドロトイティ(52.4km)というところで、お腹に違和感が。これはまさか…とエイドに着くなりトイレに駆け込むと、なんと予定よりもずいぶん早い生理が。実は飛行機の中からめまいやフラつきを感じていて、時差ボケや長時間フライトの疲れかなくらいに思っていたのが、生理のせいだったのかもしれない。さらなる “極限条件” へのしびれるトッピングだった。

長い林道を終えてトレイルに入りしばらくすると、恐怖のゾーンが始まった。前日からの大雨で、地面はぐちゃぐちゃのドロドロ。「ここは危険!気を付けろ」という看板とともにロープが設置してある、きつめの下り斜面が現れた。つかまらないと尻もち必至。ロープやポールに頼りつつ、ズルズルと滑りながらも慎重に下っていく。

看板が出ているくらいだからここだけなのかと思いきや、その後もドロドロはずっと続いていた。それだけでなく完全に水没している箇所も。童心に返って飛び込む感覚を楽しんでみるのも束の間、それが何度も何度も繰り返されるという現実に、すぐに途方に暮れた。

足首までは普通。ひどいところは脛まで泥や水に浸かるところがあった。足はずっと水没状態で、すぐにシューズの色もソックスの色も分からなくなった。足指の痛みも、シューズのへたりもより強く感じる。

マオリ文化の影響で、タトゥーの入った現地ランナーを何人か見かけた。が、今は、飛び跳ねた泥が全員の脚に模様を作っている。ここにいる誰もが皆、 “泥の大地を走る誇り” というタトゥーをまとった、マオリのランナーになっていた。

身体は疲れ果て、限界に近づきつつあったが、カメラを向けられれば最高の笑顔になってしまう。タラウェラの森に魔法をかけられたようだった。

【決断】リセットして、もう一度前へ

スタートから10時間、17:26、第5エイドオカタイナ(57.4km)に到着。たくさんのサポートや応援の人たちが、温かい声援とともに出迎えてくれた。

小屋の中には多くのランナーがひしめき合い、休んだり、食事を取ったり、着替えたり。そしてスタッフの元気な声に、温かい食べ物の匂い。よくテレビで観るロングレースのエイドの雰囲気そのもので、ふっと現実感が揺らぐ。ここは夢の中かもしれない、そんな気持ちになった。

ここのドロップバッグには着替え一式と、新しいシューズを入れてあった。小屋の隅に設置された小さな着替えテントにもぐり、ウェットシートで全身の汗と泥を落とす。そしてきれいなウェアが肌に触れた瞬間、

「まだ、いける」

身体の外側が変わると、内側の意志まで変わってしまう。遠い国で、泥だらけで、疲れ果ててもなお、自分の足で前に進む。

水浸しのソックスの下の足は、ふやけて真っ白。少し前から痛む足指の爪は、もうすでに何かひどい状態になっていることはすぐに分かった。それでも、もう行くしかなかった。もはや無意味かもしれなかったが、再び足全体にワセリンを塗りたくり、指を引っ掛けないようにゆっくりと5本指のソックスを被せる。

「大丈夫、思い描いたその先へ」

メッセージに気持ちを落ち着け、装備を整えた。脱いだウェアはバッグへとしまい、エイドの食べ物を口に運んだ。ヘッドライトを持っているかのチェックを受け、出発。

足元は、ピカピカの新しいシューズ。もうここから先はドロドロが終わっていて欲しい…。そんな願いも虚しく、それまでと何ら変わりのないドロドロゾーンが、進めど進めど目の前に広がり続けた。

前区間の途中から、おしゃべり大好きな韓国人の男の子に話しかけられ、しばらく一緒に進んでいた。簡単な会話だけなら良かったのだが、英会話ができない私にも、気持ち良いほどの手加減のなさ。分からない、返せないが続き、プチストレスが溜まっていった。たくさんのおしゃべりよりも、走ることに集中したい。その気持ちを伝える方法も分からなかった。

彼とはペースが近かった。抜いても追いつかれる。間を取っても追いつく。これはどうにか離れるしかない。そう決心し、スピードを上げた。追いつかれないように、泥だらけになるのも構わずにどんどん走った。彼もちゃんと走り切ったのだろうか。こんな私にたくさん話してくれてありがとう。

始めの方こそ時計を見ながら時間を区切って補給していたものの、泥との格闘が始まって以降はもう必死。不安定な足元に集中し、気づけば水すらしばらく飲んでいない、という状況になっていた。時おり我に返り、思い出したようにジェルやアミノ酸、チョコレートなどを口にした。

しばらくすると再びしっかりした雨。ゴロゴロと雷も鳴りだすと、トレイルが川と化した。濁流が音を立てて流れる川を遡上する。もはや何も避けようがなく、自然のなすがままだった。エイド出発時、きれいなウェアを身にまとい、汚れたくないなと思っていた私に言いたい。思いっきり泥に突っ込め。どうせこのあと、全部ぐっしゃぐしゃになる。そんなことを考えながら進んで行った。

【夜】孤独と向き合う時間

8時過ぎまで明るい季節だが、タラウェラの森は深く濃く、早い時間から薄暗くなってくる。ヘッドライトを装着し、暗いところでは点灯して進んだ。

そして次第に闇は濃さを増し、辺りの景色を飲み込んでいった。今見えるのは、足元の泥だけ。

「なぜ走っているのだろう」

こんなにハードでタフな状況の下、なぜ最後まで走り切ろうとしているのだろう。振り払っても、何度も頭に浮かぶ問い。

「もうロングレースには二度と出ない!」

心に立つ誓い。

泥は重く地面は不安定で、うまく走ることができず、思ったように進んでいかない。102kmという大ゴールは考えずにまずは次のエイドまでを目標にして走っていても、それすら遥か遠いゴールに思えてしまう。

焦りと疲れ、寒さの中、考えるのはこんなことばかりだった。

21:38、第6エイドミラーロード(72.7km)に到着。足を止めるとすぐに、濡れたウェアが確実に体温を奪っていく。明るいテントの光の下にはストーブと、暖を取っているランナーたち。流れてくる暖かい空気に一瞬気持ちが揺らいだ。でも、もしここで留まってしまったら、もう二度と走り出せなくなる気がする。誘惑を断ち切るようにさっと補給を済ませ、すぐに出発した。

ここで、私の今までの最長距離を超えた。できた。走りながら涙が頬を伝った。

【限界】それでも止まらない理由

無限に続くドロドロ。時おり林道や舗装路がわずかに挟まるものの、基本的にはずっとドロドロぐちゃぐちゃのビショビショだった。

足指の爪は、何かにコツンと当たるだけで激痛。ふやけたまま何度も何度も圧迫され、爪が浮き剥がれてしまっているようだった。

足だけでなく手も、雨に当たり続けてフヤフヤ。ポールのグリップを握る部分の皮が剥けてきた。もはや普通には持てず、上から持つ握り方に切り替えた。

そして、忘れた頃に痛み出すお腹。生理痛で下腹部が重かった。

“満身創痍” という言葉を、今使わずしていつ使うのだろう。

でも、不思議と辞めたいとは思わなかった。この極限状態で私を突き動かしているのは、ただ

「ここまで来たからには、やり切る」

という意地だけだった。

22:57、第7エイドティキタプ(84.8km)に到着。最後のドロップバッグポイント。

「私の夢を叶えられるのは私だけ、奇跡を起こしにいこう」

自分で、しかも前日に用意しているので、メッセージの内容は覚えている。それでも、自分の “願い” に触れ、背負いともに走っていることを思い出す。

家族も仲間も、レースのライブトラッキングを見ながら応援してくれている。スマホに映し出されるメッセージは、折れそうな心に火を灯してくれた。

ドリンク用のカフェイン入り粉末パウダーを直飲みする。寒さに備え入れておいた味噌汁を飲む暇は惜しんで、先へと急いだ。

そこからはより激しいドロドロで、全くペースが上がらなかった。泥の質も所々変わり、より細かくしっとりとした絹のような泥は、まるで私を足止めするかのようにずっしりと重くまとわりついた。

峠の斜面はツルツルになっていて、登れない、下れない。ポールを使い何とか切り抜けたものの、無ければどうなっていたのだろう。

集中力が切れてきたのか、うっかり道を外れること1回。すぐに気づいて復帰する。

膝の深さまで水没した道も、どのランナーも果敢に越えていく。

こんなハードでタフな道を進んでいるのは私だけではない。皆、同じなのだ。

【ラストスパート】残されたすべてを使う

日付は変わり、1:10、第8エイドレッドウッド(94.3km)に到着。エイドはハロウィンパーティーのようなカラフルな装飾で、賑やかな音楽とともにスタッフたちが仮装して迎えてくれていた。

ここはセコイア杉の森、映像や写真で見ていた美しい場所だ。今は夜の暗闇でほとんど何も見えないが、樹木を見上げて、心の中で映像と重ねた。

森を抜けると、硫黄の匂いが漂ってきた。旅の末、ロトルアの街に帰ってきたのだ。手に持っていたポールをたたみ、ザックへとしまう。

ゴールまでは、残り7km。舗装路ではなく、湖畔の自然遊歩道を行く。ここもまた、ドロドロぐちゃぐちゃでビショビショだった。

やっと終わるという気持ちと、もう終わってしまうのか、という気持ちが入り混じる。

ラストスパート。ありったけの力を振り絞り、止まらず歩かず走り続ける。

歩くランナーたちを抜き去りながら、「ラストスパートね!」「わぉ、なんて元気なの」と、たくさんの声を掛けてもらいながら、前へ。

【フィニッシュ】すべてが報われた瞬間

ゲートをくぐる直前までドロドロ!泥だらけになりながら、フィニッシュ!

名前を呼ばれ、完走メダルを受け取る。メダルは、木の良い匂いがした。

温かい食事や飲み物が用意されたフィニッシャーブースへと進む。スープを手に、ようやく椅子に腰かける。しばらく動けなかった。

宿に着き、シャワーを浴び、着替える。食欲はわかない。頭も体も興奮したままだったが、ベッドに潜り込み、目を瞑った。

19時間16分58秒の、長いような短いような、夢のようで魔法のような時間は、終わった。

たくさんの泥とともに。

【レースを終えて】身体に残ったもの、心に残ったもの

どこのエイドでもスタッフが優しく、「何かサポートはいる?」と水を汲んでくれたり、励ましてくれたりして、終始とても温かいレースだった。

応援の人からは「well done!!」「awesome!!」と称賛をもらい、

ランナー同士では「goodluck!!」「goodrun!!」とお互いを鼓舞した。

遠く日本から応援してくれていた家族や仲間、そして自分からのメッセージ。

その全てが、力になった。

足は腫れ上がり、蕁麻疹も。私の「やりたい」に付き合ってくれた身体には、壮絶な爪跡が残っていた。

衝動の冒険を受け止めてくれた、ニュージーランドの大地。その泥の感触は、きっと一生忘れない。

【今回のポイント(これから行く人へ)】

・天気によってコンディションが大きく違うことを覚悟
・ポールは必須(泥・雨・斜面で命綱)
・ドロップバッグの着替えは本当に重要(回復力が段違い)
・雨対策=防水ではなく「濡れても耐えられる準備」
・補給は意識して取らないと確実に抜ける
・英語はできた方がいい(想像以上に支えになる)