下諏訪御柱街道トレイル|長野県下諏訪町|トレラン大会|2025.9.6

神々と一体トレイル旅

出走しました。9/6(土)

【部門】ロング43km、+2,300m
【結果】8時間42分51秒 で完走! 女子53位/112人、年代別18位/32人。

景色が良く爽快なトレイルで気持ち良いレースでした!

こちらは開催第一回目のレース。行きたいと思っていた山域が含まれていたこと、夏の練習のモチベーション維持のためにこの時期のレースを1本走っておきたいと思ったことから、エントリーを決めました。

コンセプトは、「神々と一体となる一日」。ロングコースは諏訪大社の秋宮、旧街道、諏訪湖、八島ヶ原湿原、観音沢渓谷など、長野県の中心にある下諏訪町の歴史、文化、自然によって築かれてきた、個性的で魅力的、かつ変化に富んだ景観を堪能出来るコース。

ロングは43km、ショートは14km。せっかくの遠征なので長く楽しみたい、ということでロングを選択。

まだきっと暑い時期だから、暑い中走るのにも慣れておかなければ…と、この夏は暑さに負けないように練習を頑張りました。

前日、大雨の影響であずさが遅れるも無事に前泊地の上諏訪へ到着。諏訪湖そばの温泉、ホテル鷺乃湯。ここはモール泉(植物が地中で長い時間をかけて変化した「腐植物質(ふしょくぶっしつ)」を多く含んだ温泉)で、一度行ってみたいと思っていたところ。玄関では親切なスタッフさんと宿泊者全員のお名前カードが出迎えてくれ、すぐに受付から案内まで。しつらえの良い廊下や庭園、綺麗なお部屋。すごく良かったです。肝心の温泉はほんのり硫黄臭のする琥珀色のお湯で、とても気持ち良かった!

諏訪湖畔を30分ほど散策し、温泉に浸かり早めに就寝。

諏訪湖
諏訪大社秋宮

当日、下諏訪駅から歩いて10分ほどで受付会場の四ッ角駐車場へ。荷物を預けた後は、スタート地点の諏訪大社秋宮へ。境内を見てまわる時間も心の余裕もなし。前日にお参りしておけば良かったです。

レース出走はこれで5回目。ミドルレースは今年2本完走しているのできっと大丈夫、と思うも、やはり直前は緊張。

たくさんのランナーたち、1000人近くいるのだろうか。主催は北信濃トレイルフリークス(KTF)さん、人気らしい。

開会式が始まり、全員で宮司さんのご祈祷を受ける。午前7時30分、いざ出走。

スタート

まずは旧街道、住宅街を走っていきます。

いってきます

私はこのトレイルに入るまでのロードの上りが苦手…ここが走れないと後々のトレイル渋滞にハマってしまうのですが、ここで力を使い果たすわけにはいかないので、マイペースで行きます。沿道では住民の方々の応援が。個人的な挑戦をしているだけなのに「頑張って!」と言ってもらえるのはとても嬉しく励みになります。

20分ほどでトレイルへ。美しい森の中を進みます。途中でカモシカ出現。自然の豊かさがとても近い。

進む

走り(歩き)やすいフカフカの気持ち良いトレイルが続く。写真のように詰まってしまうところはあるものの、体力温存と写真撮影のためにはちょうどよいペースで進んで行きます。

午前9時10分、9.5km地点、第一エイドに到着。ちょうど私のいたところがボリュームゾーンだったようで、私が手を伸ばして取ったバナナが最後の一欠けだった!その他はリンゴやオレンジなどのフルーツ、ゼリーなど。水分はほとんど飲んでいなかったので補給せず、先に進みます。

第一エイド
絶景トレイル

トレイルに入った途端から風が涼しかった。そしてだんだんと標高を上げるにつれてさらに涼しい。猛暑の中走るかと思っていたが、そこまでではなかった。近づく空は快晴で、美しい青。

一部展望が開けた場所から八ヶ岳が。

八ヶ岳

細かいアップダウンを越えて、一つ目のピーク、二ッ山への急登へ差し掛かる。四つ這いになるほどの急さ加減。しかし渋滞のために急登ながらゆっくりゆっくり登っていくので、脚へのダメージは最小限。

二ッ山へ

午前10時15分、二ッ山へ。ここに立っていたスタッフさんが「ここから極上トレイルですよー!」と言ってくれていたが、この二ッ山を越えた先がきつめの斜面の狭いトラバース道で、私は2回ほどしりもちをつく。(展望も無いしここはまだ極上じゃない…。)後日、実はシューズの底がだいぶ減っていたことに気付き、こりゃグリップ効かずに滑るわけだ、と納得しました。

二ッ山頂上より

そんな道をアップダウンしながら1時間半ほど進み、二つ目のピーク、三峰山へ。ここも最後は這いつくばるほどの急登だったが、渋滞でゆっくりペースのためここでも脚へのダメージは最小限。

三峰山へ

ここからは間違いなく極上トレイル!360度の大展望がランナーたちを出迎える。

諏訪湖

午前11時45分、三峰山、標高1,887m。

北アルプス方面

あまりの気持ち良さに寝転がるランナーも。私もゆっくりここでお弁当でも広げて1時間くらい過ごしたい気分。

進行方向の八ヶ岳方面

なだらかな山容で優しいトレイルの三峰山、直下の駐車場からわずか15分ほどで来られるため、ハイカーさんも多い。挨拶をしながら進む。

登頂!

もう走ってしまうのがもったいない程。なんて最高の日。

極上トレイル

もったいないが走りやすく、気持ち良く駆け下りる。が、最近よくある右脇腹の痛みが。下りの振動で鋭い痛み(疝痛)が出る。

午後0時30分、23km地点、第二エイドの和田峠に到着。ここでもバナナ、りんごをもらう。コーラをもらったら、直後にコーラ売り切れ!のアナウンスが。第一エイドのバナナといい、ギリギリの滑り込み。水を補給するランナーが多く、タンクに並ぶ。

疝痛は空腹時に出やすいような気がするので、食欲は無いが持っていたおにぎりを口に押し込む。そんなこんなでここで長めの休憩を取った後、再び走り出す。

第二エイド

ここからは三つ目で最後のピーク、鷲ヶ峰への上り。なかなかの急登、脚の疲れが出てくる。近くのランナーと励まし合いながら。

午後1時20分、鷲ヶ峰、標高1,798m。ここからは下り基調なのでポールをしまい、いざラン!

鷲ヶ峰

極上トレイル!

進む

天上世界。

進む

おにぎり効果が出て、疝痛は消える。軽快に下ると、今度は足の裏が痛くなってくるが、もう半分は来ているのだ。頑張るのだ。

そして午前1時45分、八島ヶ原湿原へ。ここは2度ほどハイキングで来たことがある。以前はお花を眺めながら写真を撮りながらゆっくりゆっくり歩いたが、今回は見て愛でるだけ。

八島ヶ原湿原

ここからは走行禁止の歩行区間。木道を歩きます。穏やかな時間。

木道
沢沿いトレイル

木道区間を抜けると歩行区間が終わり、観音沢渓谷へ。緑が濃く美しい。普段人が入っていないところなのか、岩が苔むしていてツルツル滑る。あまり走るどころではない。そしてきつい斜面に切られたトラバース道が狭い上に弛めで崩れそうで、命が危ういと思う瞬間多々。そんな緊張感のあるトレイルを命からがら進んだ先で、渡渉ポイント。スタッフさんが誘導してくれ、一人ずつ確実に。ほどよく人はばらけていたので、渋滞はしなかった。

渡渉

マーキングに沿って何度か渡渉を繰り返しながら、沢沿いの道を下っていく。湧水ポイントでは手と顔を洗い、生き返る。山は涼しいとはいえやっぱり暑くて汗だくだった。たまに沿道で応援してくれる人がいて、元気をもらう。

ここまで何キロ、という掲示板が5km刻みで設置してある。30km地点、なんだか行けそうな気がする!35km地点、なんだか大丈夫そうな気がする!この体の疲れ具合ならば、最後まで気持ち良く行けそうな気がする。

午後3時10分、36.5km地点、第三エイド到着。トイレを済ませ(初)、バナナとオレンジとコーラ、ゼリーと塩タブレットをもらい、ラスト!

第三エイド
木落し坂

第三エイドから舗装路を進み、10分ほどで木落し坂へ。御柱祭で巨木を落とす斜面です。とんでもない急斜面だった。こりゃ下手したら死んでしまいます。

まるでゴール直前な下りの舗装路をスピードを上げて走る。そこから再びのトレイルの上りへ。もちろんコースマップを見ていたので知っていたけれど、下りを走った後の上りはとても堪える。どうにかこうにか進んでいくが、途中林道の上り坂で大会カメラマンが。歩いて写真に写るわけにはいかないと、そこだけ頑張って走る。笑

最後の上りを何とか切り抜け、最後の下りへ。30km、35km地点ではなんだか行けそうな気がする!と思ったのに、40km地点ではやっぱり撤回!と思ったのでした。

再び旧街道の素敵な路地を通り、ゴールの四ッ角駐車場へ!やりきった!

ゴール!
完走!

1時間以上前にゴールしていた木村さんと会い、クラフトビールを飲み、終了。運営、ボランティアの方々、仲間、家族、全ての皆さま、素敵な体験をありがとうございました。

会場近くの銭湯、新湯で汗と泥を洗い流す。熱々のお湯でほとんど浸かれなかった!ランナーはほとんど来ておらず、地元の方とお話しする。諏訪の方々はとても優しくて素敵だった。良い地です。そしてあずさに乗り帰還。大変お楽しみさまでした。

あとがき

絶景の爽快極上トレイルで、本当に素晴らしかった。下諏訪町の歴史、文化、自然を堪能できる、とてもオススメなレースです。

ただ、私はハイカー出身なこともあり、しかも静かな山を愛するソロハイカー、こんなに極上な景色はゆっくり歩いて堪能したいなぁ。渋滞にハマらずに静かに歩きたいなぁ。なんて思いました。それほど極上だということです。

私は3本目のミドルレース、走り切れる手応えは出てきたので、1、2本目の時のような「限界を超えた!」感動は薄め。あの感動を再び味わうには距離を伸ばすかタイムを縮めるかしていかなければいけないのか。人の欲とは誠に恐ろしいものよ…。まぁ、私も成長したということでしょう。

次は10月のハセツネ(長谷川恒男)カップ 日本山岳耐久レース。距離も累積標高差も挑戦度の高いレース。私はちゃんと完走して限界超えの感動を味わえるのでしょうか。次へ続く!