ジオパーク
フルマラソンの翌日、脚が死んでいなかった私は、さらに散策をしようという計画。欲の深さは海のごとし。理想の高さは山のごとし。5/20(月)
2日間お世話になった宇野邸のあるBluevillageを去ります。お世話になりました。
洞爺湖バスターミナルまで送ってもらい、コインロッカーに荷物を預け、そこから歩ける金比羅山麓火口群・災害遺構群を散策します。
ジオパークとは、ユネスコ世界ジオパークの事業の名称で、
◎地球の歴史を物語る重要な地質現象や
◎考古学・生態学的に価値のあるみどころがある地域
のことだそうで、現在日本では10地域が認定されているそう。
そのうちの一つ、洞爺湖有珠山ジオパークには火山の迫力、森・湖・海の環境、街や産業の魅力を楽しみ、学ぶことができる散策路が数多くあります。豊かな自然と大地の息吹、そこに暮らす人々の歴史・文化をぜひご堪能下さい。とな。
前々日に行った中島1周散策のブログはこちら⇒北海道洞爺湖【中島トレッキング】ジオパーク散策路 2024.5.18
火口めぐり
有珠山は活火山。その活動は約2万年前、20世紀の100年間では4回の噴火が記録されている。最近では2000年に西山山麓から噴火、この金比羅山にも新たな火口を開けたのだそう。
自然の脅威を伝えるために災害の様子をそのまま残した「西山山麓火口散策路」と「金比羅火口災害遺構散策路」が整備され、火山活動を伝える役割を果たしている。
午前11時前、出発。看板の案内通りに進みます。この日も良い天気。
すぐに砂防ダムが見えてきます。そして遠くに遺構も。
砂防ダム上の展望台がスタート。
時間も体力もあるのでこの金比羅火口と、足を延ばして西山山麓まで行ってみようかと思っていたのですが、けっこうな距離になりそうなのでまた別の機会に残しておこう。という気分になり、今回は金比羅火口だけにしました。
管理棟のおじさまの推奨通り、右回りにスタート。まずは火口めぐりから。とにかく鮮やかな北海道の春、緑の中を歩いていきます。アップダウンは多少あるけれど良く整備された道で、スニーカーでOK。
埋まった国道もあり、傾いたミラーもそのままに、だったそうなのですが視界に入らずスルーしてしまった。
活断層があるようなのですが、適当に周囲を眺めてみるも、地質に詳しくない私はどこが何だかさっぱり分からず。こういう時にガイドさんがいると良いのでしょう。
珠ちゃん火口。これは良く見えなかった。
みどころポイントの有くん火口に到着。30分ほどで到着。有くんと珠ちゃん、有珠山だからね。
火口の縁に上るのだけど、足元はザレていて登りにくい。石がごろごろしている。滑らないように慎重に。
この火口は2000年の噴火でこの辺りにできた最大の火口で、直径200m、上った縁から水面まで20m、池の深さ10mほどだそう。これが噴火で開いた穴とは、地球は力持ちだ。大きすぎて写真に収まらない。水がエメラルドグリーンできれいな色をしている。自然の奇跡のアート。
洞爺湖の眺めも最高です。
火口災害遺構
有くん火口を堪能した後は折り返し、遺構を見に行きます。
見えてきました、桜ヶ丘団地。自然の中にポツンと一軒家、ならぬポツンと団地。
火口から溢れ出た熱泥流によって1階部分が埋もれてしまった5階建ての公営住宅。3棟でしたが残されているのはこの1棟のみ。住民の方々は避難完了していて無事だったそうですが、家財道具は取り出せない状態になってしまったそう。
近づくと埋まってしまった1階部分が良く見えます。植物が生えてきていたり、ちょっとずつ風化してきていたりして、なんだかラピュタみたいだなと思った。人間がいなくなった後の地球はこうやって時間を進めていくのだろうか。
木の実橋。泥流対策のために設置された流路溝内からも溢れ出した熱泥流が、国道に架かっていたこの橋を持ち上げて約100mも押し流したそうだ。やっぱり地球は力持ち。
やすらぎの家。町営公衆浴場だった施設。
ゆかりの碑。
ゆっくり歩いて1時間半ほどでゴール。この先もずっと続いていくであろう火山活動と人間の活動。時に恵みとなり、時に災害となって、地球が、私たちが共に生きていることを教えてくれる。そんな散策路でした。
学習タイム
その後は洞爺湖ビジターセンター・火山科学館へ。
洞爺湖と有珠山、地域の自然とその自然に親しむために必要な情報の提供や展示を行っているという公立施設。
火山科学館の方は有料で、有珠山噴火に関する歴史や噴火のメカニズム、被害の実態などを学習することができるそうですが、今回はビジターセンターの方のみ見学。
洞爺湖周辺の樹木や草花、動物、魚や虫など、いろいろなものが興味深く展示されています。詳しくはぜひご訪問を。面白かったのは展示室の天井に吊り下げられた洞爺湖の模型と、床に張られた航空写真。湖の水を上に持ち上げたイメージでの展示だそう。立体的に見るとこんな感じなのね。
じっくり見ようと思ったら何時間でもいられそうでしたが、帰りの飛行機があるので切り上げ。
最後に洞爺湖畔のお店のお土産などを物色し、グルメを堪能し、帰路に着きました。
マラソン大会をメインに、自然を大いに堪能した2泊3日の洞爺湖滞在。きっとまた来ます、美しい自然とここに暮らす素敵な仲間たちに会いに。素晴らしい体験をありがとうございました。
次の山旅へ続く!