あたたかい小屋
火打山と妙高山の1泊2日の山旅。Day1はこちら⇒新潟【火打山】百花繚乱の百名山 Day1 2023.7.23
火打山の登頂を終え、この日の宿泊地の高谷池ヒュッテへ。7/23(日)
三角屋根が可愛い山小屋。高谷池湿地のほとりに佇みます。
小屋の目の前に1本だけ咲いていたコオニユリ。あとはみんなクルマユリ。違い分かりますかー?小屋のスタッフさんに教えてもらって初めて知ったのですが、葉っぱの付き方が放射状なのがクルマユリ、交互なのがコオニユリ。その他おしべの色など細かい違いがあるそうです。
どこの山小屋もそうなのですが、昨今の新型コロナウイルス感染症のお陰で予約は取りにくい。ただ、取れれば余裕のスペースを確保してくれているので快適に泊まれる。
3年前に出来た新館、まだかすかに木の香りが残る綺麗な建物。私は新館でした(選べません)。
ご飯は新潟のお米使用でとっても美味しかったです。夕食後はビデオ上映があり、火打山のお花、四季の移り変わりの美しい景色を見ることが出来ました。また季節を変えて来たいなぁ。
トイレも綺麗、更衣室も完備、充電(有料)も出来る。設備百点。山小屋初心者にも上級者にも超オススメ。
でも何より良かったのが「スタッフさん達が超優しい」ということ。お花の写真を眺めていたらお話ししてくれたり、写真を撮ろうとしたら電気付けてくれたり、それが私だけにではなく、他のお客さんにも一様に。一人一人をしっかり見ていて、さりげない心遣いとおもてなし精神が素晴らしい。
スタッフさんのお一人に「山小屋のお仕事は楽しいですか?」とインタビューしたところ、「涼しくて良いかな」とのことでした。確かに下界は暑すぎる~!
私はお店や宿のどこを見るか?というと、「人の優しさ」。施設の素晴らしさでもなく、料理の美味しさでもなく、第一に人の優しさ。でも、人が優しい=もてなそうという気持ちがある=施設も料理も美味しいこと多々。
朝早く出てきてしまい、お礼も言えずだったので、ここでお礼を。ありがとうございました。また絶対行きます!
朝露と急登と
朝は4時過ぎに出発。この日も晴れ予定なので、日の出を期待して。妙高山に向けて歩き始め、茶臼山の少し手前で東の空とご対面。残念ながら雲の中でした。星空も残念ながら見えず。山旅では日の出を見るような計画をいつもしているのだけど、絶景に出会うのはなかなかの強運時ですね。
茶臼山から。今から行く妙高山と、黒沢池が見えます。雲よ晴れてくれー!
このエリアのもう一つの山小屋、黒沢池ヒュッテを越え、大倉乗越を越えていきますが、アップダウンあり、ドロドロあり、きついトラバースあり。体力メーターが徐々に減っていきます。
そして妙高山までの登り。木の根っこが張り出した急な坂道をひたすら登る。途中木々の間から見える景色に励まされながら、スタートから3時間半ほどでようやく妙高山の頂へ!
火山、信仰の山
暑い日特有のガスが湧いてきているけど何とか間に合った~!
前日登った火打山、北アルプス一望。ちょうど山頂で一緒になったおじさまと写真を撮り合いっこ。
おじさまは登山歴40年でお住まいは岐阜、あまり遠くの山に行くことは無いそうですが、毎週末山に来ているご様子。「山の魅力は何ですか?」とインタビューしたところ、「下界と違うところかな。登り始めはいろんなこと考えているけど疲れてくるとそうも行かなくなるよね。」と。心頭滅却の場、ですね。私も激しく同意します。
妙高山は成層火山といって、複数回の噴火によって溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山。登りに使った西側登山道からは火山らしい風景はあまり見えないのだけど、下りで使う東側登山道からはそれらしい風景が連続します。
岩々が特徴的ですよね。足元も火山岩になっていきます。
そして、信仰の山でもあり、山岳修験の場として栄えたそう。確かにこの急登は修行。
山頂到着から30分ほどで視界をガスが埋め尽くし、展望が無くなってしまったので、下山開始。下山口は燕温泉という新潟の秘湯温泉地へ。公共交通機関で行くと縦走できる(登山口と下山口を変えられること)のが魅力。いろんな山の表情が見たいものね。燕温泉方面から来たそのおじさまと、山頂直下の鎖場までご一緒していただきました。
鎖場怖いと聞いたのですが、足場はちゃんとしているし、フィックスロープもあり、全然大丈夫でした。今年石鎚山の鎖場を経験していたので、それに比べれば普通の道。
そしてそこからまた急な下りが続きます。お花は前日の火打山に比べて少な目ですが、ちらほら。辛さを癒してくれます。
ここ天狗堂の広場の一角に携帯トイレブースが。長い登山道、携帯トイレ必須ですね。
標高下げるにつれ硫黄の匂いがしてきます。川に温泉が流れている。もわっと温かい。
二段構えの滝が登場。称明滝、光明滝。温泉の滝です。迫力~!
細い舗装道が始まり、微妙な勾配の下り坂が。この辺りまで来ると足の裏が痛い。早く終わらないかなと思ってしまうけどー!お花に励まされながら頑張ります。
3時間ほどで下山。お疲れさまでした。燕温泉に到着。なんと山頂で会ったおじさまが私の到着を待っててくれてた!(偶然かもですが!)山で出会う皆さんは本当に優しい。またどこかでお会いしましょう。
ここ燕温泉は川の野湯もこの温泉街から上に少し行くとあるのですが、もう登り返す気力は無いのと、水着を持っていないので、温泉宿で汗を流します。4軒ほどあり、その中の1軒に直感で入る。疲れがほぐれていきますね。日帰り入浴の相場は600円、とても良心的。
休憩し、食事をとり、帰路につきます。
受難と受容の試練
路線バスで関山駅へ、そこからえちごトキめき鉄道で上越妙高、そして新幹線で東京へ。この鉄道沿線が長閑な田んぼの風景でとても癒された。ちょっと体力が落ち気味でしたが、翌週にこれまた念願の山域挑戦を控え、体力作りも兼ねられた楽しい楽しい1泊2日の山旅でした。
ここで終わらないこの山旅の後日談。
なんとなんと、このどこかで今流行りのアレをもらってきてしまい!帰ってから2日後に発熱。なんと私は2度目の感染(1度目は1年4ヶ月前)。しっかり発熱し、しっかり療養しました。念願だった山域への山旅はおじゃんに…。
でも念願すぎたので翌週に予備日程を設定していて(!)、体力大丈夫そうだったら行こう!と思っていたのですが、療養明けて数日でなんとなんと今度は全く身に覚えのない肋骨骨折が発生。2週とも完全におじゃんに…。未だに半信半疑なのですが、おそらくこの夏にそこに行ってはいけない何かがあったのだろう…。と、何か大きな力に守られているのを感じました。
本当に楽しみにしていたし、その山域に向けて今年の初めからずっと準備してきたので、とても悲しくてショックですが、山は逃げない!きっと来年は叶えてみせます!
受難は受容し、困難は後の感動へ。絶対にそうだ。
次の山旅へ続く!