世界自然遺産
屋久島へ。10年ぶり2度目の上陸。1度目は山を始めてすぐのまだ初心者だった頃、友人と縄文杉への往復&白谷雲水峡のトレッキングに来ていました。だいぶ山スキルも上達してきた今、九州最高峰の宮之浦岳を含む世界自然遺産の山と森を縦走する山旅を実現しようと、屋久島再訪を決行。4/7(日)-10(水)
季節は春。山桜のお花見を目当てに。
計画してからずっと楽しみで楽しみで胸がいっぱいでした。もののけ姫のアシタカ&ヤックルの缶バッジをゲットし準備は万端。
羽田空港から紅組の飛行機に乗り、鹿児島空港で乗り継ぎ、お昼頃に屋久島へ。予定時刻より30分遅れ。この日は雨、そして翌日は大雨予報。後半の2日は晴れ予報。
計画では初日から山に入る予定でしたが、稜線に出る日に大雨を当てに行くことも無いだろうと思い、予定を1日後ろ倒しに。宿の手配などを済ませ、初日は里で暇つぶし、翌日から山に入る予定にしました。
◇旅の行程◇
1 東京 ⇒(飛行機)⇒ 屋久島空港 ⇔(路線バス)ヤクスギランド、屋久島自然館
2 屋久島空港 ⇒(路線バス)⇒ 紀元杉 ⇒ 淀川登山口 ⇒ 淀川小屋
3 淀川小屋 ⇒ 花之江河 ⇒ 黒味岳 ⇒ 宮之浦岳 ⇒ 永田岳 ⇒ 新高塚小屋
4 新高塚小屋 ⇒ 縄文杉 ⇒ ウィルソン株 ⇒ 楠川分かれ ⇒ 太鼓岩 ⇒ 白谷雲水峡 ⇒(路線バス)⇒ 屋久島空港 ⇒(飛行機)⇒ 東京
里で暇つぶし
空港を出て左手に進んだ場所にある観光案内所(プレハブ小屋)へ。里で半日暇つぶししたいのだけどどこが良い?と相談したところ、ヤクスギランドかな、との提案、そこに決定。
これまた空港のそばのホテルにチェックイン、ここでも相談してみると、ヤクスギランドの後に屋久杉自然館に行って、安房で食事をしてきては?との提案、よしそれで行こう!
ヤクスギランドも屋久島自然館も行ったことが無かったので、行ってみることにします。
観光案内所で購入したバスの乗り放題券、重宝しました。1~4日券あり。運賃の支払いにICカードの類が使えないので、いちいち小銭を払う手間が省かれたのと、安くなったのとで満点。屋久島ゆったり満喫乗車券
ヤクスギランド
空港13:13発、合庁前で乗り換えて、ヤクスギランド14:17着。
ヤクスギランドとは。標高1,000m付近に広がる、面積270ヘクタールの自然休養林。推定樹齢~3,000年の巨樹たちが息づく森。
森林環境整備推進協力金500円を納めて入場。
30分、50分、80分、150分、210分の5コースがあり、持ち時間や体力に合わせて散策を。
50分コースまでは歩きやすく石畳や木道などがしっかり整備された道なので、あまり森歩きはしたくない、できないけれど、手軽に屋久杉の森を体験したい方にオススメなスポット。(80分コース以上は不整地なので登山靴などの装備が必要。)
私は持ち時間50分少々なのに欲張って80分コースに行ったがために最後バスに間に合わないんじゃないかと思って心臓が止まりそうになりました(もしバスを逃したら里まで徒歩6時間くらい、タクシー代いくらだろう…)。無理は禁物。
雨の中歩き始める。雨の森は命が生き生きとしているので、それはそれで見どころ。
その昔、屋久杉は神木としてあがめられ、伐る者はいなかったそうですが、江戸時代に伐採が開始。その時の切り株がこちら。屋久杉は樹脂分が多く腐りにくいので、300年以上経った今でもこうして残っているのだそう。上からは新たな小杉や、様々な植物が着生している。
これらは土埋木と呼ばれ、このような切り株の他、強風などで倒れた屋久杉や、伐倒後利用されず山に残された屋久杉などもあちこちで見ることができる。屋久杉工芸品に利用されているのだそう。へぇ~。
ここから太忠岳への登山、本当は最終日に予定していたのだけど、今回はおあずけ。またの機会に。
屋久杉自然館
そしてヤクスギランド15:15発のバスに無事に乗車、屋久杉自然館15:48着。
屋久杉自然館とは。屋久杉と屋久島のすべてを知ることができる博物館。様々な展示があり、じっくり見たい方は2時間ほど確保を!私も閉館ギリギリの17:00頃まで観覧しました。
屋久杉とは。屋久島の標高500mを超える山地に自生しているスギを屋久杉と呼ぶ。そして、およそ1,000年を超える杉をとくに「屋久杉」、若い屋久杉を「小杉」と 呼ぶそう。
新鮮な水に恵まれながら、栄養が乏しい花崗岩の山地に育つ屋久杉は成長が遅い。ゆっくり育つ屋久杉は材質が緻密で樹脂分が多く、腐りにくいので長生きすると考えられているのだとか。ゆっくり育つから巨木になる。
ゆっくりじっくり育って、身の詰まった寛大な人間になるのも良いよなぁ。とは言え人間はせいぜい100年の命ですがね。
詳しくはこちら⇒屋久杉ってなあに?
春になると日本列島各地で国民から恨まれる杉ですが、屋久杉はありがたがる不思議。杉そのものではなく、杉を植えまくった政策、人間のせいだからですよ。自然は自然。
屋久島の成り立ち。九州最高峰1,936mの宮之浦岳がそびえる屋久島は、周囲約130km、面積約500k㎡の9割が森林という洋上の山塊。フェリーで屋久島に来ると、「島」なんだけど「山」だな、ということが良く分かる。洋上のアルプスとも。
およそ1,550万年前、マグマから生まれた花崗岩の塊が、海底の堆積岩を押し上げて姿を現したのが屋久島だそうです。
屋久杉を伐採した歴史も。山仕事の道具や集落の様子など。
一通りハイキングし終わってから、答え合わせのように来た方が面白いかもしれない。と思いました(私は予習ではなく復習で学習を深めるタイプなので…)。
また何度か屋久島を歩いた上で再訪したい。そんなスポットでした。
鹿肉と地ビール
さて、屋久杉自然館からのバスはさっき私が乗ってきたのが最終便。ということで里まで歩きます。3キロほど、40分くらい。普通の舗装路、下りなのでサクサクと。
安房の街まで下りてきました。港のある場所で、飲食店や宿泊施設が多数。
目についた道沿いのお店、何のお店ですか?と尋ねると、焼肉店。鹿肉、地ビールがあるとのことで即決。いただきます!
まだ山に入ってないんですけどね。縦走完遂前祝いということで。
屋久鹿、可愛いのだけれど、ここ屋久島でも鹿が増えすぎることでの弊害が起こっているそうで、定期的に駆除されているそう。せっかくならば美味しくいただきましょう。
身はタンパクであっさり、臭みが無く美味しい!なんならもうちょっとジビエ感があっても良いくらい。くせがなく食べやすいので万人にオススメ。ビールもおいしゅうございました。
食事の後は、この日のお宿のある空港付近へ戻るべく、最終バスに飛び乗り、無事に初日が終了。
空港近くのラクサホテル、ビジネスホテルタイプのお宿。急遽2日前に予約。スタッフさんがとても良くして下さって、良いホテルでした。
さて、次の日はいよいよ山へ。雨の中、無事にスタートを切れるか?!Day2へ続く⇒屋久島縦走【紀元杉、淀川小屋】世界自然遺産の森へ Day2 2024.4.8