雨の島
屋久島旅の2日目(縦走山旅の1日目)。1日目はこちら⇒屋久島【ヤクスギランド、屋久杉自然館】手軽に世界自然遺産体験 Day1 2024.4.7
この日は大雨予報。紀元杉バス停から淀川登山口、淀川小屋までの2時間弱を歩く、わずかな行程に。バスは2便、迷ったけれど午後から夜にかけて雨が強くなる予報だったので、午前の便で移動してしまいます。4/8(月)
◇旅の行程◇
1 東京 ⇒(飛行機)⇒ 屋久島空港 ⇔(路線バス)ヤクスギランド、屋久島自然館
2 屋久島空港 ⇒(路線バス)⇒ 紀元杉 ⇒ 淀川登山口 ⇒ 淀川小屋
3 淀川小屋 ⇒ 花之江河 ⇒ 黒味岳 ⇒ 宮之浦岳 ⇒ 永田岳 ⇒ 新高塚小屋
4 新高塚小屋 ⇒ 縄文杉 ⇒ ウィルソン株 ⇒ 楠川分かれ ⇒ 太鼓岩 ⇒ 白谷雲水峡 ⇒(路線バス)⇒ 屋久島空港 ⇒(飛行機)⇒ 東京
朝の空港。コインロッカーに帰りの着替えとサンダルを預ける。見た感じコインロッカーってこれだけだったのだけど、空きは十分。皆ここには預けないようですね。
「雨の島」月に35日雨が降る、と言われるほど雨の多い屋久島。島だけど山の地形、台風、前線などの影響で雨が降りやすいのだそう。土壌が少ないので川の水は濁らず、水質は超軟水。
この日は森の中を歩くだけ。なので雨の体験もまた良き。
紀元杉
空港9:03発、合庁前で乗り換えて、紀元杉10:27着。
まずはバス停から100m程戻ったところにある紀元杉へ。標高は1,230m、屋久島で唯一、車窓から見ることができる屋久杉だそう。※ちなみに折り返しのバスが10:45にあるので、サクッと見てまたバスで帰ることも出来る。
紀元杉、樹高19.5m、胸高周囲8.1m、推定樹齢3,000年。縄文杉よりも古い?!
両サイドに階段があって、紀元杉の周りをぐるっと一周できるように木道デッキが作ってある。隣にはモミ伐根。
着生樹は15種類?!いろいろな子を従えています。
紀元杉の枝、前日の屋久杉自然館に展示してありましたね。
遥か3,000年の時、この木の時間は、世界は、どんなものだったのだろう。そしてこれからどんなものになるのだろう。それすらも短い、となる地球の時間は、世界は。人間の一生はほんの一瞬ですね。私は美しいこの世界の奇跡を感じて生きる時間を過ごしていたい。
触れる距離ではないけれど(手の長ーい人ならもしかしたら、でも触らないでね)、縄文杉よりもはるかに近い。巨木の静かで力強いエネルギーを感じました。
雨のせいなのか、それともあまり人気が無いのか。鑑賞者が私一人しかおらず、巨木をひとり占めの贅沢な時間でした。
川上杉
紀元杉からの折り返しのバスを見送り、登山口へ向かって10分ほど歩いた場所にある川上杉。標高1,280m、樹高27.0m、胸高周囲8.9m、推定樹齢2,000年。
林道建設の際、この巨木を残すため、計画を変更した担当者の名前が呼び名になったそう。
ちょっと遠くて分かりづらかったけど、異形が多い屋久杉の中ではわりとまっすぐな方かな?
そして林道をポテポテ歩くこと20分ほどで、淀川登山口、標高1,360mへ。この少し手前で林道の修復工事をしていて、現在ここまでは車で来ることが出来ません。
私は登山届はネットで提出済、協力金は観光案内所で納め済(日帰りは1,000円、宿泊は2,000円)。任意ですが、山小屋や登山道の維持管理には必ず資金や労力が掛かっているもの。山をこの先も楽しむためにご協力を。
世界自然遺産
軽くお腹を満たした後は、いざ入山。雨の森は美しい。
様々な生命が息づく世界。恵みの雨、流れる川。光と影、温かさと冷たさ。静と動、成長と衰退、生と死。全てを内包している自然。循環し、永遠に巡り続ける。
木も岩も苔も、動物たちも。人間も、私も、そんな巡りの、自然の一部で。生きていても死んでいても、その大きな輪の中にいるのでしょう。
姿は見えなかったけれど、どこか遠くで猿の鳴き声が。
雨で登山道が川のようになっているところも。滑りやすいので慎重に。
淀川小屋の少し手前に看板が。ここから先が世界自然遺産地域。
島全体が世界遺産ではなく、島の20%が1993年に白神山地とともに世界自然遺産に登録。その登録理由は、
・亜熱帯から亜寒帯までの植物相の垂直分布が見られる。
日本列島を縦にしたような島!
・日本および世界各地で失われつつある照葉樹林(しょうようじゅりん)が広範囲に残されている。
貴重な森!
・日本固有のスギ(屋久杉)林がすぐれた生育地・景観として見られる。
杉は杉でも憎くないやつ!
この日は世界自然遺産の森に眠ります。
登山口から50分、本日の宿泊場所、淀川小屋、標高1,380mへ。午後はまるっと暇なのだけど、雨が強くなる前に到着。荷物も私もあまり濡れずに無事。一番乗りでした。
午後は小屋先で、雨音を聞きながら本を読み過ごしました。
この日の宿泊者は8名。一人は雨の中、宮之浦岳を越えて来たフランス人の女の子。ヒッチハイクで日本を旅するそう。たくましい。夕方には私と同じ行程を午後の便で来た方々が続々と。皆さんびしょ濡れで到着されていたので、午前の便にしておいて良かった。
小屋にはヤクシマヒメネズミが出没するそうで、食べ物が荒らされてしまうとの情報が。ザックまで食い破られた、という情報まであり、今回新品のザックがどうか破られませんように…。と、対策をして就寝。あまり眠れなかったので周囲の様子を伺っていたけれど、今回ネズミらしき気配はありませんでした。
夜9時頃から屋根を叩く雨音が大きく。こんな大自然の中で、雨風凌げるありがたさよ。
3シーズン用寝袋、インナーシーツに薄いダウンの上着、で挑んだ私はなかなかの肌寒さを感じながらも、無事に一夜を明かす。
雨のダメージを最小限に抑えた縦走1日目(旅は2日目)。翌日からは晴れ予報。果たしてどんな絶景が待っているのか?!Day3へ続く⇒屋久島縦走【宮之浦岳】九州最高峰、世界自然遺産の山へ Day3 2024.4.9