秘境の一軒宿
ロングルートを歩き切った先に辿り着いた、阿曽原温泉小屋。ここまでの様子は【下ノ廊下】ブログへ
実はここ、超名物ご主人の山小屋、黒部と登山者の安全をいつも守ってくれています。毎日忙しい合間を縫って、登山道の様子や予約の状況などをブログにアップしてくれていて、ここに来る登山者は皆、それをチェックしながら歩いてきます。そのため、ルールを守らない登山者などはしっかり叱るのです…!
私たちが小屋に到着したのが17:16。17時過ぎに暗くなり、ヘッドランプを付けて歩きました。暗くなってからの到着で、叱られちゃうかな…いや、私たちの後ろにまだ2組歩いてきているから、みんなで叱られれば怖くない…!←😇 などとドキドキしていたのですが、私たちを迎えてくれたご主人、
「いやぁ、よく頑張ったね、お疲れ様、早く入って😊」
や、やさしい…!と、とびきりやさしい!
靴を脱いで手を洗って受付、小屋の概要を簡単に。
- 7月下旬~10月末までの期間限定小屋(冬は雪崩に備えて解体)。
- 小屋泊、テント泊可、小屋泊(30名程度)は事前予約でいっぱいに!
- 大部屋は4つ(だったかな?)、到着順に奥から。男女混合。
- 露天風呂あり、男女時間別。
- 荷物部屋あり、更衣室無し。
- 充電可。
充電コードを忘れた友人に、合うコードを探して来て貸してくれるご主人!神様ですか?😇
露天風呂アトラクション
私たちは夕食第2回組に、18:30~。そして露天風呂の女子タイムが18:00~19:00。その後19:00~20:00は男子タイム、20:00以降は混浴タイム。水着は持参していないので何としても18:00台に入らなければ。
露天風呂まで行き(下り)5~10分、帰り(上り)10~15分。17:50に出発、真っ暗な山道をヘッドランプを付けながらゆっくり下る。そして突如現れる湯船!
そして最後の男性を見送り18:00。脱衣所は無く、すのこの上で服を脱ぎ、ヘッドランプを付けたまま入浴。昼間なら丸見えですな😳。一応石鹸があり、体を洗っても良い様子。他の登山者さんたちとワーキャー言いながらお湯を堪能すること数分、そそくさと着替えて小屋へと出発18:15。18:30の夕食が待っているから!めちゃめちゃタイトスケジュール😇。
そして無事にご飯にありつく。メニューはカレー🍛食べ放題だよ~!
愛と魂の黒部
そして19:00~はDVDの上映タイム。15年前にNHKが取材をして、放映されたものだそうです。黒部の大自然とそこを守る人々、阿曽原温泉小屋の様子、登山道を整備する様子や黒部の歴史をつづる映像(30分ほどだったかな)。そしてその後に続くご主人の解説。
富山はこの暴れ川の黒部川が度々氾濫するので、農産物がなかなか作れなかったのだそう。お隣石川県の「加賀百万石」に対し、富山はたった十万石だったそうです。そこで、富山から北海道に開拓民として移住した人も多く、今でも「北陸銀行」が北海道にたくさんあるのはそのためだそう。
この黒部川の電力開発、ダム建設が行われたおかげで、今や富山は有名な米どころに。そんな歴史があったのですね。そんな話を聞いてからの山旅はより一層感慨深い。明日はありがたく歩きたいと思います。
登山道はこの小屋の方々が日々、あの崖の道を通って資材を運んで整備して、安全を確保してくれている賜物。私たち登山者が安心して歩けるのも、この小屋の方々の仕事があってこそ。本当にありがとうございます。
本当に命懸けで、黒部が大好きで、楽しくてお仕事されているんだなということがビシビシ伝わりました。
小屋の最終日、無事に迎えられたということもあってか、ご主人とても上機嫌で、みんなニコニコ😊。
そして明日の出発に向けて眠りにつきます😪💤。耳栓必須。インナーシーツ持参。
出発の朝5:00。既に起きて仕事をしていたご主人に挨拶を。「今年の紅葉は、葉っぱが虫に食われてあまりきれいじゃない。だからまた来てね😊」はい、絶対また来ます。
登山道と同じく山小屋も上級者向けだけど、超楽しかった。「山小屋はアトラクション」←私の持論。
素晴らしい時間をありがとうございました。Day2【水平歩道】に続く。