花の島
初上陸の佐渡へ。以前テレビでそこに素晴らしい縦走路があるのを見ていてぜひ歩いてみたかったのと、佐渡市の花「トビシマカンゾウ」というニッコウキスゲに似た華やかなお花を愛でたいという目的。離島の素朴な雰囲気が大好きなのも理由の一つ。トキもぜひ見たい。
ということで、お花の時期に合わせて、いざ出発。
◇ 旅の行程 ◇
0 新潟駅前 前泊
1 新潟港 ⇒(カーフェリー)⇒ 両津港 ⇒(予約制バス)⇒ アオネバ登山口 ⇒ 金北山 ⇒ 白雲台 ⇒(予約制バス)⇒ 両津港 ⇒(レンタカー)⇒ 二ツ亀
2 二ツ亀 ⇒ 大野亀 ⇒ 佐渡金山 ⇒ トキの森公園 ⇒ 両津港 ⇒(ジェットフォイル)⇒ 新潟港
前日仕事を終え、新幹線で新潟駅に移動し前泊。駅から港まで2kmちょっとあるので、朝は4時半起き。5/26(日)
5時過ぎにホテルを出発、途中コンビニで朝食と昼食を調達しながら、港へ歩く。30分ほどのあさんぽ。そして6時発のカーフェリーに乗ります。途中にあったモニュメントをパチリ。
佐渡汽船、事前予約が出来ます。この日は日曜日、日帰りで遊びに来る人もいるのでしょうか、早朝から大勢の人が乗り込みます。
乗船時間は2時間半ほど、一番安い2等船室で。外に出る人は少なく、皆さん船室のカーペット敷きのスペースで横になっている。私は出港を見届け、そのまま外で景色を見ていようと思ったのですが、朝食をとろうと船室に戻って、ちょっとだけ…と横になったら、もう両津港でした。
午前8時半、両津港に入港。この日歩く金北山の稜線がきれいに見えてます。お天気で良かった~
下船後、観光案内所で登山届の提出を済ませます。金北山から白雲台までの道が防衛省管理道路で、以前は航空自衛隊佐渡分屯基地へ通行申請をしなければならなかったのですが、佐渡市との取り決めで現在は不要に。代わりに佐渡トレッキング協議会への登山届の提出が必要。
佐渡は「花の島」とも。その絶妙な場所から、北の地域で咲く花の南限、南の地域で咲く花の北限であることに加え、海流の影響等もあり、ほかの地域では見られない花が数多く見られるのだそう。
花の時期に合わせて、花鑑賞ライナーというのが運行されていて、その3本のうち2本が金北山登山に便利なバスなのです。事前予約制。両津港からアオネバ登山口まで、ドンデンライナーに乗って行きます。
お花街道
午前9時すぎ、アオネバ登山口、標高296mに到着。バスはほぼ満員でしたが、ここで下車したのは私を含め2人のみ。あとの皆さんは終点のドンデン高原、標高890mからスタートのようです。
ここアオネバ登山口からマトネ、金北山、妙見山を経て、白雲台まで至るルートを歩きます。全長13.4km、累積標高1,300m。コースタイムは7時間半。帰りのバスが白雲台16時半(コースタイム通りなら休憩なし)なので、予約の時も今朝も「長くて大変だけど日帰りで大丈夫?」と確認されましたが、お天気も体調も良いので大丈夫でしょう。いざ出発!
両津港からも近く、とてもポピュラーなルートだそう。この日も島民の方々がグループ登山をしていました。沢沿いの道を尾根に向かって登り上げていきます。
蝶がいるこの植物、葉っぱが穴だらけ。虫に食われたのかな?
樹林帯で風が通らず、登っていると暑い。フルマラソンから一週間、体に疲れは残っていない。順調に高度を上げていく。
足元には次々と小さなお花たちが。
花の名山と言われるだけあって本当にたくさんのお花が登山道を彩る。シラネアオイ街道と呼ばれる場所なのだけれど、シラネアオイは見当たらなかった。今年はもう終わってしまったのか?1時間ちょっとでアオネバ十字路へ。左手のマトネを目指して進みます。
鮮やかな緑がまぶしい。山の春は良いですねぇ。
道中、イワカガミを一番多く見たかもしれない。いたるところに群生していて、濃いピンクから薄ピンク、白色まで。とにかくたくさん咲いていた。
海と風の稜線
そして登り始めてから2時間弱、午前11時にマトネに登頂。標高937m。
ここで視界が開ける。目指す金北山が見えた。そして両側には海、という島ならではの絶景。短時間でこんな稜線歩きができるなんて本当に贅沢な素晴らしい場所。稜線歩きを前にニコニコな私。
最高峰の金北山が標高1,172mなので、アップダウンはあるものの、なだらかな稜線が続く。
天気の良い休日、多くの方がこの登山道を楽しんでいます。挨拶を交わしながら、前へ。
稜線のお花も見事です。
そして先ほどより標高が高い樹林帯の中に、ありましたシラネアオイ。残ってて良かった~と思ったのですが、この先けっこうありました。山草の女王の気品、だそう。おおぶりなのだけど花弁は薄く、淡い色がグラデーションになっていて本当に美しい。
ツンブリ平から金北山への稜線。右側は砂地が見えていて、樹木の生えていないところが。これは冬の季節風の影響で、シベリアおろしの北風がさえぎる物のない日本海の洋上を強く吹いて佐渡島にぶつかって来ているのだそう。これが佐渡の山に、本土の2,000m級の花たちが咲く理由なのだそう。ワイルドな風景。
ザレ場を下るときは滑りやすいので慎重に。
午前12時、真砂の峰へ。ここで休憩している方もたくさんいました。ガスが沸いてくる気配もなく、安心して稜線歩きを楽しめる素晴らしい一日に感謝。
振り返って歩いてきた稜線。本当に、本土の2,500m以上くらいの稜線のよう。すごいわぁ。
あそこは天狗の休場。たくさんの天狗たちがお休み中。
ここを過ぎると一旦また樹林帯に突入。役の行者への分かれ道があり、左の夏道ルートへ。
カタクリがちらほら。うつむき姿が可憐なお花。
カエルの鳴き声がゲロゲロ聞こえていましたが、池には無数のオタマジャクシ、そして卵が。
木にぶら下がった卵。あれもカエル?
最後の登り。お花たちに励まされながら着々と歩を進める。あと200mとな。
守り神
そして突然山頂あらわる。14時、金北山登頂、標高1,172m。
山頂には金北山神社が。古くから島の総鎮守として親しまれてきたそう。他にも建造物があり、特徴的な山頂。
残りのコースタイムは1時間半ほど、バスまではあと2時間半、余裕あり。ということで、ここで昼食休憩をゆるりと。東京から来たご夫婦、神戸から来た登山会のグループと会話を交わす。
佐渡にまで登山に来るとは相当の山好きさんたち(私も同じね)。同じ日に同じ場所で素晴らしい景色を見られた奇跡に乾杯。
仮設トイレは白雲台方面にほんの少し下ったところに。そしてトイレの先の白い大きな建物がある場所が妙見山、最後のピークを目指して歩きます。
振り返って山頂部を見上げるとこんな様子。
日本海側の主要な島ということで、古くから防衛の最前線だったのでしょう。ここからは防衛省が管理する道路。完全に舗装はされていませんが、車も通れる道を歩いていきます。
季節外れのヤマザクラ?
斜面のレンゲツツジがお見事。
単調な道が続くと(といっても何時間でもないのだが)飽きてくるのが山ガール山ボーイというもの。上り下りはしんどいが楽しい。先行していたご夫婦ももうこの道は嫌だと言って、山道を下る妙見山への道を選択する。
この建物の敷地への入り口から脇道に入り、ぐるっと回り、祠のある広場へ。山頂標識が無いので分からないのですが、どうやらここが妙見山山頂、標高1,042m。
そしてここから自然の道に戻り、林の中を下る。おしん林と名前がついていました。
そしてこの日のゴール、白雲台交流センターが見えてきた。
16時少し前、ゴール。お疲れさまでした。
ここは大佐渡スカイラインの最高地点に近い場所で、車で来られる。展望が良く、島の南側を見渡せるスポット。中は交流スペースという名の登山者さんたちの待合スペース。
この景色を母にも見せたいと思い翌日に車でここに来るも、大佐渡スカイラインに入ったところあたりから大雨どしゃ降りで何も見えず。運とタイミングですね。
北アルプスまで見えるらしいけれど、この日はそこまで遠くは見えなかった。
自販機やきれいな常設トイレがあり、バスを待つ時間も安心して過ごせます。そして16時半の金北山ライナーに乗車し、両津港へ。
自販機にビールは売っていない。売店もない。スプライトで我慢だ。って、私これからレンタカーで運転するのではないか。危ない危ない。
そして17時過ぎ、無事両津港へと帰還。そしてこの日に移動して来た母(佐渡の友人と会っていた)と合流。車を借り、この日の宿泊先のSADO二ツ亀ビューホテルへ。チェックインを済ませホテル周辺を少しお散歩。長い充実の一日が終わりました。
念願だった佐渡の金北山縦走。良いお天気の中、たくさんのお花と最高の景色が見られました。日帰りでこんな体験が出来るなんて、本当にお得な山~!しかし日帰りで縦走をするためにはバスを活用すると良いのですが、バスの期間が限られている&事前予約制なので、登山は計画的に。
翌日は念願のトビシマカンゾウを見に行く予定が雨予報。果たしてどんな体験が待っているのか?!Day2に続く⇒
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