理想郷
旅の最終日。花巻温泉郷の大沢温泉を後にした私たちは、宮沢賢治記念館へ。今日は花巻を味わい尽くします。2/21(火)
この旅に来るにあたって、宮沢賢治の本を読んで予習。小学校や中学校の時の教科書に載っていて読んだことはあったけれど、ほとんど記憶には無く、いわゆる清貧なイメージのみ。改めて読み返してみると、賢治さん、自然のほんの小さな移ろいの中に、無限に広がる宇宙を見ていた人なんだな、と。そしてその宇宙の先に、「ほんとうのしあわせとは」を問い続けた人。
賢治さんの生涯、影響を与えた物事や人、熱心に集めたモノ、その作品についての展示の数々。科学や芸術、宇宙や宗教、農業といった様々なことに興味を持ち、たくさんの作品を生み出し、今なお世界に影響を与え続ける偉大な人物。
意識は時空を超越していたのだろうな。表現は哲学的で、普通の人には理解が難しいところもあるけれど、懸命に生き抜いたその生涯、願った幸せは痛いほど胸に刺さります。
あまりに早く亡くなってしまったのは、貧しさと時代、そして、自己犠牲が強すぎたせい?と思ったりもしますが、その生き様から学ぶことは余りある。現代に生きる私はもうちょっとゆるめで、「雨に休み、風に吹かれ、雪も夏の暑さをも楽しむ健全な心身をもち」生きていきたいと思います。
賢治さん、あなたの愛したこの世界は変わらず美しいよ。
山猫軒というレストラン&ギフトショップは「注文の多い料理店」をモチーフにしているかわいい建物。必見。
展望地
記念館から5分ほど歩いた先に胡四王山という小高い丘が。標高183m、神社があり、花巻を一望できる。春にはカタクリの花やヒメギフチョウという古代のアゲハ蝶の一種が見られる山だそう。雪をザクザクと踏みしめながら、ちょっぴりお散歩です。
もう素晴らしい自然しかないですね。
お散歩中、謎の植物の種が服に大量に引っ付き、ギャーとなったのだけど、植物ってものすごい優れたシステムを持っているのね。引っ付いた時はベタベタとしていて無理に取ろうとしても全然取れないのに、時間が経つとパラパラとはたいただけで落ちていく。こうやって種子を拡散していくのね。生存の知恵。ちょっと迷惑だったけど。笑
レトロ名物食堂
そしてお散歩の後は花巻の名物食堂「マルカンビル大食堂」へお食事に。まーここもレトロな食堂。メニューも、実際の料理も、店内の雰囲気も、全て時が止まったかのような空間。ちょうどお昼時で混雑。花巻ってこんなに人がいるのね。←失礼
そして旅の終わりへ
楽しい時間が終わりに近付きます。新幹線の乗車駅、新花巻駅へ。大変お世話になったYさん、Mさん、素敵な旅をありがとうございました。
宮沢賢治が命の炎を燃やし生きたこの地、この花巻、岩手。雄大な自然と人の営み、理想郷は永遠に続きます。
今回の旅はここまで。最高の旅でした。次の旅に続くよー!