丹沢ケルベロス
丹沢の大倉登山口を起点として、三ノ塔、塔ノ岳、鍋割山をピストンすると、その軌跡がケルベロス(ギリシャ神話の地獄の番犬、三つの首をもつ)のようだということで、丹沢ケルベロス。
普通に登山をしていた時には想像もしていなかった登り方、トレランチームのトレーニングでチャレンジすることに。7/13(日)
1登目 大倉~鍋割山~大倉 16.4km、±1,160m
2登目 大倉~三ノ塔~大倉 10.6km、±1,044m
3登目 大倉~塔ノ岳~大倉(×)12.9km、±1,265m

トレランチーム
昨年の10月からトレランのチームに所属し、練習会に参加しています。プロトレイルランナーの三浦裕一さん主催のTEAM MIURA。
ずっと登山(歴12年)をやっていて、山を走るランナーの存在も認識していたけれど、「私には(体力的に)生まれ変わらないと無理」と何年もの間思っていました。でも、山を走れるくらいになったら登山が楽になるのはもちろんのこと、この大好きな山をもっともっと味わい尽くせるのではないか、軽快に山を駆け抜けるあの人たちはどんな世界を体感しているのだろう。本当は私も「生まれ変わったらやってみたい」。そう思っていることに気付き、生まれ変わりを待つ前に挑戦してみることにしました。
陸上経験なし、1分も連続で走れないところから、まずは自力で近所を走ることからスタート。それでも「私に本当にできるのか」という思いしかない。だって普通に山を歩いて登って下りるだけでも十分に疲れるし、平地を走るだけでも息が切れて苦しいのに…。
まだ本当にトレランに挑戦するかどうか決心は曖昧にしたまま、丹沢大山で開催される登山マラソンのポスターを目にし、「まずはこれだ!」とエントリー。
そんな中、たまたま登山で訪れた先でトレラン大会に出くわす。そこでトップで走ってきたのが三浦裕一選手。レース中にも関わらず「こんにちは!」としっかりはっきり爽やかに、一ハイカーの私に挨拶をしてくれたではないか。初めて生で見るトップ選手、やはりさすがは一流。ほんの一瞬の一言の挨拶で、トレイルランナーの株を爆上げする破壊力。
その後トレランへの挑戦をはっきり決意した時、三浦さんのチームが目に留まる。あの時のトップ選手だ!ぜひ入れてもらいたい!と申し込み、今に至る。
そんな三浦さんの元に集まるメンバーは皆さん素敵な方々で、楽しく活動をしています。
鍋割山
さて、そんな TEAM MIURA の丹沢ケルベロスチャレンジ。まずは1登目、鍋割山を目指します。今回は速い人も遅い人も一緒の合同練習会。スタートしたらもう先頭集団についてはいけないので、マイペースで進む。

鍋割山まではコースの半分くらいが緩やかなアップダウンのある林道。そこを一生懸命走ったらもう全力を使い果たして疲れてしまった。山道に入り急登をヒーヒー言いながらもはや普通のハイキングのペースに成り下がり進んでいると、前方から颯爽と現れる三浦さん。もう山頂から折り返してきた。速すぎ。

速い人が次々と折り返してくる中、何とか2時間ほどで鍋割山山頂へ。同時間に山頂にいたメンバーと記念撮影。

そして下る。再び林道を走ると、右の脇腹が痛い…。締め付けられるような痛みが走り、ペースが上げられない。足は走りたいのに、内臓がストップ。ランあるある。そんなこんなで命からがら大倉登山口へ戻る。鍋割山4時間で完。
メンバーでサポート役の方が簡易エイドを作ってくれ、飲み物やおやつを提供してくれていました。優しい空間。しばしの休憩で元気を復活させる。

三ノ塔
せっかくなので2登目までは頑張りたい、次は三ノ塔へ。鍋割山よりは若干緩やかに登り上げるものの、山頂手前は急登も急登。もうハイキング以下のペースで苦しさMAX、でも何とか登り切った!

そして下る。最後の最後に大倉登山口へ向けて渡る橋が大きな大会のゴールのような感じで、「何やらすごい大会を完走した!」という気持ちに。三ノ塔3時間半で完。

3登は今の私には全くもって無理でした。いつか日の長い時期に、もっと体力を付けて挑戦したいと思います。
トレランの魅力
実際にやってみて、走ることは歩くことに比べて「体を使う感覚」が強いという印象、当たり前だけど。筋線維が、関節が骨が、内臓が、血液が、神経が、細胞の一つ一つが、この心と体と魂が一つになった “私(という生命体)” を前へ上へと推し進めてくれる感覚。
そしてその舞台が、山。不整地や暗闇、変化する自然環境の中で長時間、という集中力を要する道を、体の全感覚を使い走る。この地球で躍動する生命体として、体が動くことや感覚があることの喜びをこれほどまでに感じられるのは、トレイル+ラン=トレランならでは!なのではないかなと私は思います。
そしてこれも当たり前ですが、ランナーは健やかで強い。皆それぞれの目標に向かって日々努力し人生を楽しんでいる。生まれ変わりなんか待たなくてもできます!ぜひやりましょう、私にもできました。
もちろん自然を楽しみながら歩く登山も本当に大好き。登山の経験をトレランに、トレランの経験を登山に活かす。そして人生に活かす。全てを最大限に楽しむ!これからも欲張っていきます。
